ワインをいただく グラスの脚を持ち 乾杯は会釈で

西日本新聞 くらし面

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。第3金曜は、さまざまな場面のマナーについて「インフィニ フィニッシング アカデミー」(福岡市)の副校長本多美智子さんにお助けいただきます。

 ボージョレ・ヌーボーが21日に解禁日を迎えます。心待ちにしている愛好家も多いのではないでしょうか。今回はワインにまつわるお話です。

 そもそもボージョレとは、フランス・ブルゴーニュ地方最南部にある産地の名前。ボージョレ・ヌーボーは、この地でその年に収穫されたガメイという品種のブドウを使った赤ワインの新酒のことで、元は収穫祭で楽しむための地酒だったようです。

 一般的なワインとは違う製法で造られています。通常、ブドウをつぶして発酵させるのに対して、丸い実のままタンクに詰めて密閉します。ブドウ自体の重みで下の方の実がつぶれて果汁が自然に発酵し、二酸化炭素がタンクに充満。ガスの中に数日間放置すると、つぶれていない実の中でアルコールが生成されてお酒になるのです。この製法で造られたワインは、皮や種に含まれる渋みの成分タンニンが少ないため、フレッシュな味わいに仕上がります。

 ボージョレ・ヌーボーは、フランスのワイン法によって販売解禁日が11月の第3木曜と決められており、海外へは、この日までに店頭に間に合うよう輸出されます。日付変更線の関係上、日本はヨーロッパよりも解禁時間が早く訪れるため、本場に先立って新酒の味を味わえるのです。

 ワインと相性が良い食べ物といえばチーズ。チーズの起源には諸説あり、一説では中近東や西アジアで生まれたといわれています。遊牧民がラクダにくくり付けて運んでいたヤギの乳が発酵し、発見につながったとか。

 日本では、奈良時代に乳製品が食べられていたとも。奈良時代の豪族、長屋王の邸宅跡(奈良市)から出土した木簡に「牛乳持参人米七合五夕」(牛乳を持ってきた人に米7合5勺(しゃく)を渡す)と記録されています。また、平城京跡(同市)から出土した木簡にも「近江国生蘇三合」(近江国から届けられた生蘇3合)との記録があります。生蘇とは牛乳を煮詰めて作ったチーズのような物と推測されています。乳製品が朝廷に献上されていたことがうかがえます。

 さて、ワインをおいしくいただくために、基本的な作法を知っておきましょう。

(1)ワイングラスは自分の右手側が定位置。ワインを注ぐのはソムリエか給仕です。改まった席では自分たちでつぎ合うことは控えます。注いでもらう時は、グラスを持たずテーブルに置いたままで。

(2)グラスは脚を持ちます。くれぐれもブランデーグラスのようにカップ部分を持たないで。せっかく適温に保たれているワインが温まってしまいます。手の痕で汚れることのないよう気を付けましょう。

(3)乾杯の時、互いにグラスを合わせることはしません。目の高さに持ち上げて軽く会釈しましょう。

(4)つぎ足そうとした人に「もう飲めない」と断る際は、グラスに軽く手をかざします。

(5)食事の最後にグラスに付いた口紅をぬぐうことを忘れないようにしましょう。

 料理と調和し、それぞれの味わいを引き立てるおいしいワインを上手に選びたいものですね。

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