【動画あり】「暴力の象徴」解体 再開発、地域振興に期待

西日本新聞 社会面

 北九州市小倉北区神岳1丁目にある特定危険指定暴力団工藤会の本部事務所は、毎年恒例だった儀式に約400人の幹部らが顔をそろえていたほか、代替わりの「継承式」も行われ、工藤会にとって「聖地」(捜査関係者)とされる場所だった。地域住民は頻繁に出入りする組関係者の姿におびえ、暴力団の関与が疑われる事件が相次ぐ中で「暴力の象徴」とも見られてきた。住民や商工関係者は事務所の撤去が地域の活性化につながると期待する。

 15日午後1時40分すぎ。高さ約2メートルのコンクリート塀に囲まれた事務所の門扉が開くと、大型のパワーショベルなどを積んだトラックが次々と入っていった。

 「組員を目にすると、怖くて仕方がなかった」。18歳の頃から近くに住む女性(85)はこう話す。黒い背広を着た組員や、黒塗りの高級車が事務所に入っていく様子を間近で見てきた。

 約1750平方メートルの敷地に4階建ての事務所が完成したのは1980年代半ば。工藤会の捜査に長年携わる捜査関係者によると、3階には特別な行事のための100畳を超す大広間があった。毎年12月に「事始め」が行われ、同会トップの野村悟被告(73)=殺人などの罪で公判中=ら幹部が一堂に会してきた。

 「事務所ができてからは周りの人から『危なか所だ』とよく言われた。それが、ようやくなくなる」。女性は、ほっとした表情を浮かべていた。

 2011年ごろには市内で建設会社幹部や社員が襲撃され、工藤会幹部らが立件される事件が相次いだ。暴力団の入店を禁止する「標章」を掲示した飲食店関係者らも相次いで襲われ、「北九州市は修羅の国」と言われることもあった。

 大手ゼネコン関係者は「ゼネコンが北九州から完全撤退を検討した時期もあったが、これからは再開発などに本腰を入れることができる」。北九州商工会議所幹部は「事務所撤去で市のイメージが改善され、企業誘致もやりやすくなるのではないか」と話した。

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