ラグビーもロックも人生です 甲斐バンド45周年 甲斐よしひろさん

西日本新聞 根井 輝雄

 「HERO(ヒーローになる時、それは今)」をはじめ「裏切りの街角」「安奈」などのヒットで知られる甲斐バンドが今年、デビュー45周年を迎えました。ベスト盤のリリース、全国ツアーと精力的な音楽活動を続けるロックグループを率いてきた甲斐よしひろさん(66)=福岡市出身=に、45周年の意気込みを尋ねました。

 -45年を振り返って。

 ★甲斐 今ここまで続けることができたのは、ライブを楽しんでくれる観客の皆さんがいるおかげですね。

 -ベスト盤「KAI BAND HEROES」が10月に発売されました。

 ★甲斐 新しくレコーディングもしています。「ティーンエイジ・ラスト」という曲は、アンプラグド(電気楽器を使わない演奏)のアルバムを作ったときの曲だったんですが、今回、新たなアレンジでやりたいなと思ったので。ただ、間奏は、昔の演奏をそのまま持ってきました。リードギターだった大森信和さんが亡くなっているので。それを含めて45周年ですね。

 -音については。

 ★甲斐 今回、英国のマスタリングエンジニアに音の調整をお願いしました。古い作品もあるんで、最新のデジタルリマスタリングをほどこして、古い音楽も現代の音楽としてよみがえるくらいの仕上がりになりました。新しい曲もあり、1970年代、80年代の曲もあるので、差があるとよくないので。

 -オールドファンも新しいファンも聴けますね。

 ★甲斐 10年ほど前に薬師寺(奈良県)でライブした映像が残っているんですが、観客が3世代いるんです。20代の方も多い。45周年ってそういうことなんだろうって思いますね。長いか短いかはともかく、45年間日本中を旅してきたんだなあ、と。多いときで年間130回くらいホールでツアーをやってきましたから。感慨深いですね。

 -ベスト盤の曲はツアーでも?

 ★甲斐 ベスト盤の曲順がそのまま全国ツアーの演奏順になっています。いわば予告編ですね。わくわく感を増してもらって、ライブを見に来ていただければ。

 -今回のツアーは、九州では12月に福岡市民会館で開かれます。市民会館を選んだのは?

 ★甲斐 将来、市民会館が建て替えられるそうなので、今のうちに、と思いました。福岡で生まれ育ったので、その頃の最高峰は市民会館なんですよ。今でこそいろんなホールがありますけど。デビューして福岡に戻って来るなら市民会館を満席にする、っていう夢を僕らは持っていました。音響もよく、ステータスですから。いいパフォーマンスをお見せしたいと思います。

 -ホール以外に、今年はライブハウスを巡るツアーもありました。

 ★甲斐 ライブハウスツアーは初めてでしたが、甲斐バンドっていろんな可能性があることに気付きました。ライブハウスも大中小ありますが、狭いところはステージの端から端まで4歩。僕、ずっと動きながら歌っているので。ものすごく観客とも近い。だから僕は自信になったというか、新たな可能性はまだまだある、と。人から「45年の次は50年?」って言われるけど、長くやることも大事ですが、どんな切り口でどんな見せ方をするかが大事ですね。今はツアーにすべてを懸けているので、その後に考えます。

 -ところで、ラグビーファンだそうですね。

★甲斐 ラグビーワールドカップの日本-スコットランド戦を横浜に見に行きました。ここまで成功するとは思わなかった。予選が4戦全勝って素晴らしい。ラグビーの話をすると皆、幸せそうな顔になりますね。ラグビーは外国人選手にも門戸を開いていて、それが全国に伝わったのがよかった。

 僕は20代の頃、「ロックは格闘技だ」って言っていて、ちょうどラグビーに出合いました。花園ラグビー場(大阪府)で初めてライブをしたのは甲斐バンドなんですよ。81年のこと。「ラグビーは人生だ」とよく言いますが「ロックも人生」ですね。

 (文・根井輝雄、写真・三笘真理子)

 ▼かい・よしひろ 1953年4月7日生まれ、福岡市出身。74年「甲斐バンド」を結成し、2枚目のシングル「裏切りの街角」(75年)がヒット。78年末リリースの「HERO(ヒーローになる時、それは今)」はチャート1位を獲得しミリオンセラーに。45周年記念の福岡公演は12月28日午後5時から、福岡市民会館で。全席指定1万1000円。チケットぴあなどで発売中。

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