避難所運営の1ヵ月 本に 熊本市・一新校区 ノウハウや体験「次に生かして」

西日本新聞 熊本版 長田 健吾

 2016年の熊本地震で、多くの家屋が被害を受けた熊本市中央区の一新校区。一時は千人超が避難した一新小では、地域の人たちが自主的に対策本部をつくり、約1カ月にわたって避難所を運営した。地震から3年半、地元自治協議会が、当時の教訓や提言をまとめた本を発行し「次の災害への備え」を説く。

 市の指定避難所、一新小には16年4月16日の本震後、多い時で約1600人が避難した。地元の一新校区自治協議会は、避難所内での混乱を減らそうと、本震翌日から、消防団や学校職員、民生委員らと協力して「避難所対策本部」を組織。救援物資の配布や駐車場の整理、避難所に来られない人の安否確認や生活支援までを自主的に行った。住民らの奮闘は5月下旬まで続いた。

 こうした避難所運営のノウハウや体験などを本にする取り組みは、今年1月に和水町で震度6を観測した地震がきっかけ。校区で「またいつ災害が起きるか分からない」「熊本地震の教訓をまとめるべきでは」などの声が上がったという。

 9月に完成した本は「2016年熊本地震 避難所運営の教訓~避難所運営者からの提言~」と題したA5判112ページ。当時の運営日誌などを基に「避難所の確保」「水・物資の配給」「病気への対応」など10章で構成し、運営に携わったメンバー12人の経験談も盛り込んだ。

 感染症などを予防するため、トイレの衛生管理では、手洗い場や出入り口に消毒液やマスクを常備。3時間ごとに掃除や見回りをし、校内放送でトイレをきれいに使用するよう呼び掛けたことなどを紹介。備蓄食料が本震後数日で足りなくなったなど課題にも言及し「水害、地震、津波など災害の種類別の避難者数を想定しておくことが必要」との提言も添えた。

 千部を印刷。うち700部を同市や市内の小中学校、支援を受けた宮城県などの自治体に送った。

 同自治協議会会長の毛利秀士さん(77)は、地震直後から避難所を組織できたことについて「日頃から社会福祉協議会や消防団、交通安全協会など各団体と情報共有ができていたことが大きかった」。平時からの住民同士の交流の大切さを訴え「次の災害に備えるため、ぜひこの本を参考にしてもらいたい」と話した。(長田健吾)

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