漂着ごみ 沖ノ島悩ます 漁具やプラ製品が散乱

西日本新聞 ふくおか都市圏版 床波 昌雄

 玄界灘に浮かぶ世界文化遺産の沖ノ島(宗像市)が、漂着ごみに悩まされている。海流の関係で海外からも打ち寄せているという。中でも問題となっているのが、自然に分解されないペットボトルなどのプラスチック製品だ。宗像市の調査に同行し実態を確かめた。

 宗像市世界遺産課は、ごみの漂着状況の確認や遺跡保全のため、2017年7月の世界文化遺産登録後、現地調査を実施。今では年に10回程度行っていて、9日の調査には市職員4人のほか報道陣4人が参加した。宗像市の神湊港を出港し、約1時間10分で沖ノ島漁港に到着。初めに目に飛び込んできたのは、赤や青のカラフルなビニールのシート状のごみだ。

 前回10月10日の調査時に、チャーター船のスクリューに絡まり船が停止。船長が海中に潜って取り除き、岸壁に仮置きしていた物という。漁港一帯には漁具に使われている発泡スチロールや、崩れた粒状のプラスチック、ポリタンク、薬品の瓶や注射器までも散乱している。ペットボトルも多く、ラベルには中国語や韓国語、ベトナム語が確認できた。

 沖ノ島の保護のため宗像大社は昨年、これまで5月に開いてきた現地大祭を中止。大祭に先立ち実施していた氏子青年部の清掃も無くなった。目につくごみは交代で島に駐在する神職が持ち帰っているが、台風の時などは大量のごみが漂着し、とても追いつかない状況という。消波ブロックの中をのぞくと、さらに多くのごみがたまっていた。

 調査後は、参加者全員で漁港周辺の清掃を開始。一抱え以上もある発泡スチロールは持ち運びが難しく、粉々になった粒状のプラスチックは回収自体が無理だ。神職の長友貞治さん(42)によると、漂着ごみは「海外より圧倒的に国内のごみが多い」と話す。街中で捨てたごみが川で海に運ばれ、本土から約60キロ離れた沖ノ島まで流れ着いているのか。

 約1時間作業し、軽トラック2台分のごみが集まった。チャーター船に載せると、後部の甲板はごみで満載となった。市世界遺産課の飯野英明課長は「世界遺産であり続けるためには、環境の保全は欠かせない。沖ノ島の現状を知ってもらうことで、子どもたちをはじめ多くの人に『ごみを出さない』という意識を持ってもらえたら」と話している。 (床波昌雄)

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