「追い出せるわけない」 反対住民、県との面会物別れ 石木ダム明け渡し期限

西日本新聞 長崎・佐世保版 平山 成美 野村 大輔

 県と佐世保市が川棚町に進める石木ダム事業を巡り、宅地を含む全ての事業予定地が明け渡し期限を迎えた18日も、立ち退きに反対する住民と県との面会は物別れに終わった。県は19日以降、行政代執行の手続きが可能になり、住民との話し合いを続けるのか、代執行に踏み切るのか、これから焦点となる。

 建設予定地の同町川原(こうばる)地区。この日朝、住民の松本マツさん(92)と岩永サカエさん(79)はいつもと変わらず、座り込みに行けない住民が集う「ダム小屋」に足を運んだ。まさにダムができる場所だ。東京から来た支援者にお茶を出していた岩永さんは「今まで同様、来るなら来いと思ってる」と話した。

 午前9時半すぎ、住民や支援者ら約50人が県庁の会議室に詰めかけた。乗ってきたバスの車体には「石木ダム建設反対」の文字。住民らは平田研副知事と面会し、事業中止を改めて申し入れた。住民の一人岩下和雄さん(72)は「土地収用法が根拠でも、60人近い人々を力ずくで追い出すことなど人道上できるわけがない」と訴えた。

 一方、県や佐世保市は石木ダムは過去に渇水経験がある同市の利水に加え、川棚川の洪水調整を目的の一つに掲げている。平田副知事は面会で「川棚川の場合、石木ダムをやらないと治水の効果を発揮することができない」と強調した。

 平田氏は面会後、記者団の取材に「さまざまな代替案も踏まえて検討し、一番ダムが有効と思っている」と繰り返した。この日、中村法道知事が出張で不在だったことを問われると「企業との打ち合わせ。先に予定が入っている。産業振興上大事なのでそれ以上は言えない」と述べるにとどめた。(野村大輔、平山成美)

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