桜見る会「首相は説明責任を」 岸田・自民党政調会長に聞く

西日本新聞 九州+ 山口 卓

 安倍政権は「桜を見る会」をめぐる混乱や外交危機に直面。社会保障制度も転換期を迎えている。「ポスト安倍」の有力候補といわれる自民党の岸田文雄政調会長は現状をどう捉え、どんな政権ビジョンを描いているのか。話を聞いた。

 -「桜を見る会」をめぐる騒動をどうみるか。

 「各分野で功績があった人を慰労する機会を持つことは大事だが、招待基準の透明化や予算の見直しも行い、国民から理解される形で行うことが重要だ。今回の件に関しては、安倍晋三首相にしっかり説明責任を果たしてもらいたい」

 -安倍政権は19日で通算在籍日数が憲政史上最長。長期政権のおごりが出てきているのでは。

 「閣僚辞任とか失言とか、あってはならない。政府は緊張感を持って対応してほしいし、与党の立場から指摘していきたい」

 -安倍首相の党総裁任期は2021年9月。次期総裁選には出馬するか。いわゆる「禅譲」との指摘については。

 「安倍首相の次の時代を担えるようになりたい。その努力は始めている。どんな政治を目指すのかをしっかり訴え、多くの人の協力を得ていきたい。安倍首相の経済政策などは評価しているが、『禅譲』は制度としてもあり得ない」

 -どのような社会像を描いているか。

 「個性、多様性が尊重される『寛容と包容力』のある社会をつくっていきたい。現代の国際社会は自国第一主義、国の分断、格差など息が詰まる思いがする。経済の拡大や社会保障制度を維持するためにも、多くの人の意見を取り入れるボトムアップ型の政治手法を大事にしたい」

 -社会保障では、年金への不安が拡大している。

 「若い人たちが高齢者を支えるのが従来のイメージだったが、全世代で全世代を支える考え方に変えないといけない。このまま経済成長が続けば現役世代の手取り収入の50%の年金が確保できるとの検証結果があり、制度は持続していく」

 -働き手の若者が減り、高齢者が増える人口構造だ。制度は維持できるのか。

 「パートなど働き方の違いによって不公平が生じないような年金を考えないといけない。高齢者でも働く意欲、能力を持っている方はより働いてもらえることを選択できる制度にすることで、社会保障を支える側を充実させようという議論も進めている」

 -韓国による日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄が迫っている。

 「日韓関係は1965年の国交正常化以降、最悪の状況にある。ただ、日韓請求権協定をはじめ、国際的な約束をしっかり守ることが重要で、日本政府として安易な妥協は許されない。議員同士や地方自治体などさまざまなチャンネルをつないで国民世論を和らげていく、少なくとも政府間で話し合いできる雰囲気をつくっていくことは大事だ」

 -観光など経済への影響も出ているが。

 「九州をはじめ、観光業界は厳しい状況にあると感じている。他の地域の観光の拡大やキャンペーンなどで、国が観光をしっかりと支えていく努力が必要だ」

 (聞き手は山口卓)

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