「国会説明」動かぬ首相 「桜を見る会」問題 難題のたび、政権の「体質」

西日本新聞 総合面

 「桜を見る会」を巡る安倍晋三首相の一連の問題で与党は18日、首相が出席する衆参の予算委員会集中審議の要求をあらためて拒否した。19日に通算在職日数を歴代最長の2886日とし、戦前の桂太郎と並んだ首相。記録の一方、国会で説明責任を尽くすことに消極的な態度は、安倍政権の「体質」となってしまった感がある。

 18日朝、官邸で記者団から「(桜を見る会に関し)自民党総裁として、国会に説明の場を開くよう与党に指示しないのか」と問われた首相は、「国会対応については、党の方に全てお任せしています」と述べて歩き去った。

 官邸玄関での「ぶら下がり」と呼ばれる取材は、15日夜にもあった。首相は前回は「国会から求められれば出席を果たすのがルール」と明言したが、政府関係者によると、政権幹部が桜を見る会問題を説明する「場」を協議。ぶら下がりだけと決定していた。首相の都合で質疑を打ち切れ、衆参の予算委や正式な記者会見と比べ、時間も大幅に限られているためだ。

 「(予算)委員会にのこのこ出て行くよりいい。(ぶら下がりで)ちゃんと説明したんだから、もういいでしょう」と政府高官。国会出席をかたくなに拒む首相を、立憲民主党の安住淳国対委員長は「首相としては『行きます』と言い、同じ安倍さんが党トップの自民は断る。二枚舌だ」と痛烈に皮肉った。

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 政権が不祥事や国論を二分する難題に直面するたび、同じ光景が繰り返されてきた。

 今年の通常国会では3月末に予算が成立した後、「老後資金2千万円問題」が浮上。野党は衆参の予算委開催を再三にわたり要求したが、与党は一切応じなかった。森友、加計(かけ)学園問題が噴出した2017年にも、憲法53条に基づく臨時国会の召集を求めた野党の要求は約3カ月間たなざらしにされ、首相はようやく開いた臨時国会の冒頭で衆院を解散した。

 なぜ、首相は国会での説明を避けるのか-。指摘されるのは、批判に対し過剰反応してしまう自身の性格を「政権のリスク」と認識しているとの理由だ。17年の東京都議選の街頭演説では、抗議の声を上げた聴衆に「こんな人たちに負けられないんです」と激高、惨敗につながった。今月の臨時国会でも質問する野党議員にやじを飛ばし、メディアをにぎわせた。

 ただ、「多弱」の野党に、首相を国会に引きずり出す力がないのももう一つの現実。野党は審議拒否で与党に対抗する戦術が慣例だったが、最近は「税金の無駄遣い」との批判を受けることも多くなっている。 (東京支社取材班)

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