籠城学生「死恐れない」 香港警察突入 SNSに悲痛な声続々

西日本新聞 総合面 川原田 健雄

 【香港・川原田健雄】逃げ惑う学生に催涙弾と放水が容赦なく降り注ぐ。政府に抗議するデモ隊が立てこもる香港理工大に18日、警官隊が一時突入し、周辺では断続的に衝突が続いた。「自由がなくなるなら死んだ方がましだ」。会員制交流サイト(SNS)上には、学内にとどまる学生の悲痛な書き込みも。追い詰められた若者が自暴自棄に走らないか、市民から懸念する声が上がった。

 「速龍(警察の特殊戦術小隊)が攻め入った。正門が陥落」「少なくとも20人が突入した」。同日午前5時半ごろ、理工大生らのグループチャットに次々とメッセージが流れた。「外にいる仲間は攻撃に来て!」。助けを求める書き込みが続く。警察は学生たちが占拠していた大学前の幹線道路に突入。デモ隊は大学内に退去し、正門に火を放つなどして抵抗した。

 「前線の動きを公開するな。逃走ルートを明かすと危険だ」との呼び掛けがSNS上に流れる。若者たちが外へ退避し始めると、警察はいきなり催涙弾と放水を浴びせた。やむなく構内に戻ろうとする学生に武装した警官がつかみかかる。地面に組み伏せられ、引きずられる若者たち。顔から血を流す人もいた。

 警察は当初、特定の出口から退避するよう呼び掛けたが、そこから出た記者や医療ボランティアが逮捕されたとする写真が拡散。「わなだ」との見方が広がった。構内には先鋭的な行動も辞さない「勇武派」が多く残っているとみられる。

 SNS上には「私たちは最後の一瞬まで構内にとどまる」とする学生の決意表明が投稿された。「学生は逮捕と死を恐れない。歴史が私たちの無罪を言い渡すだろうから」。文面には悲壮な決意がにじむ。

 投稿を読んだ50代女性は「命を投げ出すようなことだけはしてほしくない」。24日に投票が迫る区議会選挙の立候補者も「選挙どころじゃない。学生たちをどう救い出すかが一番大事だ」と語った。ネット上では学生らを救おうと呼び掛けが拡散。理工大周辺には18日夜、若者たちが集まった。

 習近平国家主席が4日、上海で会談した香港の林鄭月娥行政長官に「暴力と混乱の制止が最重要任務だ」と伝えて以降、香港政府は強硬姿勢をいっそう硬化。抗議活動の最大の拠点となっている理工大の制圧を図る。ただ当局への市民の反発は根強く、抗議活動が収束するかは見通せない。

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