インフルエンザが全国的な流行期に入った…

西日本新聞 オピニオン面

 インフルエンザが全国的な流行期に入った。例年並みだった昨年より1カ月ほど早いとか。うがい、手洗いの励行で予防に努めたい

▼悪い風邪をうつさず、もらわぬようにマスク着用も大切だ。街にもマスク姿が増えた。その多さに、海外からの訪日客は驚くそうだが、日本以上にマスクが世界から注目されている場所がある。政府への抗議活動が続く香港だ

▼「逃亡犯条例」改正を巡って6月に本格化したデモは、さらなる民主化を求め、警官隊との激しい衝突を繰り返している。火炎瓶や催涙弾が飛び交い、死傷者が相次ぐ。道路は封鎖され、小中高校は休校。学生が立てこもっていた大学に警官隊が突入する事態となった

▼抗議する人々はマスクで顔を覆っている。催涙ガスを吸わないようにするだけでなく、顔を隠す狙いも。身元が知られれば、身柄拘束などの弾圧を受ける恐れがあるからだ。拡大するデモに業を煮やした当局は、マスク着用を禁じる「覆面禁止法」まで発動した

▼香港は「一国二制度」の原則の下、50年間の高度な自治が認められたはずだが、実際は言論や政治活動への締め付けは強まるばかりだ。市民は中国本土から吹き付ける「一党独裁」の風を吸い込まぬよう、マスクで身を守っているように見える

▼力ずくで市民を抑え付けても、マスクを外して素顔で歩ける自由な街は戻らない。混乱を鎮めるワクチンは、対話しかあるまい。

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