【きょうのテーマ】回文を作ろう 絵も付けよう(上) 本村亜美さんと高畠純さん講師に、こども記者が挑戦

西日本新聞 こども面

 ●一人でできる 言葉を探し続ける楽しさ

 皆さんは「回文」を知っていますか? 上から読んでも下から読んでも同じになる文章のことです。回文を題材にした絵本「どっちからよんでも にわとりとわに」(絵本館刊)が話題になっています。文を担当した本村亜美さん=福岡市=と、絵を描いた高畠純さん=岐阜県=の2人を講師に招き、同市中央区の西日本新聞社でワークショップを開きました。こども記者12人が参加、回文を考え、絵を付けたユーモアあふれる作品を仕上げました。

【紙面PDF】きょうのテーマ=回文を作ろう 絵も付けよう(上)

 ワークショップで本村さんは「た」「い」「な」「す」の文字が書かれたカードを2枚ずつ配り、「まずは『た』と『い』に自由に1字加えて回文を考えて」と私たちに呼び掛けた。

 「たいふいた」「いたかたい」「たいもいた」…発表すると、それぞれ違う言葉だったので驚いた。「自分の『たいないた』という5文字の回文に思わず笑った」(服部倫子記者=福岡県飯塚市・若菜小4年)

 続いて「な」と「す」。例として本村さんは「なすおすな」を挙げた。「スーパーでナスを見ていて思い付き、一人で笑ってしまった」そうだ。

 「生活の中から回文を生み出せる本村さんはすごい」(平山結衣記者=同県太宰府市・太宰府小5年)。「『なすさすな』『いたもおもたい』など楽しく作れた」(池上颯真記者=同県久留米市・日吉小4年)。

 ■「正解」はない

 「短い回文をつなぐことで長い回文を作ることもできる」と本村さん。「自分の名前を使った回文も面白いよ。難しいけど挑戦して」と勧めてくれた。「時間があるとき長い回文に挑戦したい」(大和杏彩記者・福岡市・筑紫女学園中2年)。

 「なにかにとりつかれたように回文が思い浮かぶまで考えた」(山口百花記者=福岡市・香椎下原小6年)。「一人の時間が楽しくなる」(立川日彩記者=佐賀県唐津市・成和小6年)。「電車の待ち時間、ひまな時。回文はどこででもできる」(近藤陽咲記者=福岡県大野城市・大野南小5年)。「近藤記者の『よるくるよ』を見て、何が来るのかすごく気になった」と古後美月記者(福岡市・東若久小5年)。

 回文作りに「正解」はない。身近なものに隠れているヒントを見つけ出し、言葉を探し続けることが面白い作品を作るコツだと私たちは思った。

 ■言葉から絵を

 高畠さんは「たいもいた」という回文を取り上げ、具体的に絵の指導をしてくれた。タイを中心にイカや貝などがいるにぎやかな海の世界を描きながら、「『たいもいた』ということはほかにも生き物がいたということ。一つの言葉から自由にイメージをふくらませると面白い絵が生まれる」とアドバイスした。

 「高畠先生の『タイを擬人化しては』という勧めを絵にした」(藤野奈月記者=同県新宮町・新宮中2年)。「絵では人物の表情をどう描くかが重要だと思った」(前田袈乃記者=同県太宰府市・太宰府小5年)

 ワークショップを体験して「回文絵本をさらに面白く感じた」(西田仁胡記者=同県久留米市・津福小5年)。「回文を作り絵を考える。絵本作家になった気分だった」(益田華那記者=同県須恵町・須恵東中1年)。

 ●本村さん、回文作りのきっかけは大震災 避難所暮らしで心の支えに

 本村亜美さんと高畠純さんについて紹介すると、本村さんは神戸市出身で、「子どものころから本が好きで夢は絵本作家だった」という。回文を始めたきっかけは、1995年に起こった阪神淡路大震災。自宅を失い、避難所暮らしとなり、心の支えになったのが家族や友だちとやった「しりとり」などの言葉遊びだった。そして、回文を考えることに夢中になった。

 「何も無くても一人で遊べることは自分の助けになる。強さになると知った」と振り返る。回文の魅力を聞くと「一人で作って楽しい。そして面白いものができたら人に言いたくなるところ」と話していた。

 高畠さんは、絵本作家として30年以上のキャリアを持つ。ユーモアあふれる絵柄で、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞などに輝く。本村さんが作家としてデビューする前から絵本作りを指導してきた「先生」でもある。

 ●わキャッタ!メモ

 ▼どっちからよんでも にわとりとわに 「あなだなあ」など、本村亜美さんのシンプルで印象的な回文と高畠純さんの色鮮やかな絵が楽しめる。言葉遊びの面白さ、奥深さを教えてくれる1冊。絵本館刊。1430円。

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