DNA型鑑定、緊張の連続 毛利公幸さん 【連載・科捜研のリアル❷】

西日本新聞

 Q ドラマ「科捜研の女」では、京都府警科学捜査研究所(科捜研)の法医担当の研究員、榊マリコさんが現場を駆け巡り、事件を解決していきますよね。福岡県警の科捜研の皆さんも現場に行くんですか?

 「『現場に行くわよ!』としゃしゃり出ることはありません。基本は地道な鑑定作業です」

 「あなたの特命取材班」に寄せられた質問に笑って答えてくれたのは、マリコさんと同じ法医科の研究員、毛利公幸さん(43)。担当は現場に残された血痕や体液などからDNA(デオキシリボ核酸)を抽出し、型を特定すること。ひとりひとり構造が違う「体の設計図」と呼ばれる遺伝子の〝探偵〟だ。試料を採取する捜査員に助言はしても、現場に行くことはあまりないという。

 時間に限りがあるドラマでは、あっという間にDNA型鑑定の結果が出て真犯人逮捕に至るのもしばしば。実際には「一つの試料の鑑定に数時間以上はかかる」のが普通だそう。ドラマでは省略される鑑定作業、何をしているのか。

 ◆気が遠くなるような工程を経て

 血痕とみられる物体の鑑定依頼が警察署から届いたとして流れを教えてもらった。まずは鑑定の前に、本当に血液かどうかという「物体証明」からスタートする。

 ❶血液に反応する薬品や検査キットで確認

 ❷人の血液か確認するため、ヘモグロビン成分を調べる

 人と分かれば、DNAの抽出、型の検査による「個人識別」へ移る。

 ❸試料の一部にタンパク質などを分解する試薬を入れて反応させる

 ❹専用装置にセットし、DNAを抽出

 ❺ピペットと呼ばれる器具で、抽出したDNAサンプルを容器に移し替え、微量なDNAを増幅する

 ❻DNA型を見る機械に容器をセット、専用のソフトを使って、人によって違う塩基配列を分析する

 ようやくたどり着いたDNA型。唾液や毛髪など、他の試料を同じように鑑定し、被害者や容疑者と一致するのか調べていく。気が遠くなるような工程を経て、個人の特定へとつなげるのだ。

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