官民連携、高まる暴追機運 筑後地区暴力団集中取締本部1年

西日本新聞 筑後版

 福岡県警の「筑後地区暴力団集中取締本部」発足から1年が過ぎた。特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)の壊滅作戦で一定の成果を得たとみる県警が、筑後地区を拠点に活動する指定暴力団道仁会や同浪川会などの取り締まりを強化する狙いで設置した。この間の取り組みで、官民連携による暴追機運は次第に高まりを見せてきたものの、明確な効果が表れるまでにはまだ時間がかかりそうだ。

 久留米市が年間で最もにぎわう夏祭り「水の祭典久留米まつり」。露店約430店に「暴力団排除宣言露店」をうたったプレートが掲げられた。本部設置を機に、市と久留米署などが、露店をとりまとめる組合に交付。露店が暴力団と関係を持たず、みかじめ料などの不当要求に屈しないことをアピールするねらいだ。組合の幹部は「報復で何かされるのではないかと正直不安だったが、警察がバックにいたので安心できた」と明かす。

 筑後地区では2006年以降、道仁会と九州誠道会(現浪川会)の抗争が相次ぎ、死者が14人に上った。13年に終結したが、県警によると、道仁会の昨年末時点での構成員数は県内外に480人で九州最大規模。浪川会も210人を擁する。ともに建設業や風俗店への不当要求、薬物の売買、恐喝などが後を絶たない。

 こうした事態に、本部は昨年10月末の発足時、(1)組員の行動把握と解明(2)集金システムの把握と根絶(3)未解決事件の摘発-を重要目標に掲げた。その方策として、まずは暴力団とみられる人物への職務質問に特化する「特別遊撃班」を編成。(2)については官民連携による取り組みを進める。露店の暴排プレートだけでなく、公共工事への不当介入排除も強化。具体的には、久留米市が5億円以上の工事の際に業者に義務付けている、警察の事前研修や現場指導について、4月からは対象を1億5千万円以上に拡大した。

 県警によると、本部発足以来、9月末までの暴力団員摘発件数は道仁会45件(昨年同時期比30件減)、浪川会14件(同6件減)。一般に予想された摘発増とはならなかったが、県警は「本部設置が犯罪抑止につながった」と肯定的だ。

 ただ、(3)の未解決事件摘発までの道のりは遠そうだ。2014年以降、建設会社の重機放火事件など、暴力団によるとみられる未解決事件が20件近くある。本部長の尾上芳信暴力団対策部長は「1年間で暴力団員の活動や資金獲得活動の実態を徐々に解明しつつある。今後も粘り強い取り締まりを続ける」とコメントする。筑後地区の戦いは始まったばかりだ。

 ◆筑後地区暴力団集中取締本部 久留米署に現地本部を置き、県警の尾上芳信暴力団対策部長をトップに、刑事部や生活安全部、筑後地区7署などからの約200人で構成。久留米市に本部を置く指定暴力団道仁会や大牟田市の同浪川会を集中的に取り締まる。

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