期待と緊張 沸く長崎 ホテル満室、離島船増便 ローマ法王 爆心地へ

西日本新聞 社会面 西田 昌矢

 ローマ法王フランシスコが長崎市を訪れる24日、カトリック信者13億人の頂点に立つ法王を一目見ようと、全国から信者や観光客が長崎に集まる。ホテルは軒並み満室で、交通機関の予約は平年の7割増。法王の姿に触れるチャンスは「一生に一度」(国内のカトリック関係者)。ミサがある県営野球場付近は大混雑が予想され、長崎県警は「過去最大級」(警備課)の構えで迎える。

 長崎市内の宿泊施設の収容能力は1万5千人。修学旅行の時期が重なり訪問前夜の23日は空きがない。217全室が埋まったJR長崎駅前のビジネスホテルは「精いっぱいのおもてなしをしたい」。市外で宿泊先を押さえた人も少なくない。

 交通機関の予約もあふれる。九州急行バス(福岡市)によると、23日に福岡を出発する高速バスは、長崎を目指す人で半分が予約済み。禁教期に潜伏キリシタンが渡った五島列島から駆け付ける信者も多く、24日に五島・福江港を出る九州商船(長崎市)の高速船始発便は満席で、帰りはフェリーの増便で対応する。

 法王がミサを執り行う県営野球場には、約3万人の信者らが集う。長崎の教会関係者でつくる受け入れ組織「教皇訪日長崎実行委員会」はバチカンと日本、法王の出身地アルゼンチンの国旗を記した約4万本の小旗を用意。「準備は順調」と胸を張る。

 体調を押して参列する高齢の信者もいるとみられ、長崎市消防局はミサ会場に救急隊員のチームを置くほか、法王専用の救急車を各会場に待機させるなど通常の日曜より30人多い「万全の態勢」で臨む。

 一方、地元自治体や経済界が期待する経済効果は不透明だ。長崎市の観光客1人当たりの消費額は約2万円(2018年度、市観光統計)。ミサに参列した3万人が市内を観光すると6億円になる計算だが、長崎国際観光コンベンション協会の担当者は「神聖な式典の参列者の消費行動が読めない。法王来県が世界に知られた後の波及効果を期待したい」と話す。
 県警は、他県からの応援を含む計約2800人で警備する。県も法王の訪問先での小型無人機ドローンの飛行を条例で禁止しており、現地では緊張と期待が高まる。 (西田昌矢)

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