首相守勢やまぬ逆風 在職1位「節目の日」釈明追われ 桜を見る会

西日本新聞 総合面 川口 安子 河合 仁志

 迎えた「節目の日」に高揚感はなかった。20日、通算在職日数で歴代単独1位となった安倍晋三首相。参院本会議で「桜を見る会」問題の釈明に追われ「反省」を表明、招待者の人選過程に自身が関与していたことも認めた。逆風が収まる気配はなく、内閣支持率に陰りも見え始め、与党内には危機感が広がりつつある。

 この日朝、首相は官邸で「歴代1位」の感想を記者団に問われ、神妙な顔つきで「短命に終わった第1次政権の深い反省の上に、政治を安定させるため、日々全力を尽くしてきた」と述べた。

 その後、日米貿易協定の承認案が審議入りした参院本会議に出席。首相は、一問一答方式で質疑が展開される衆参の予算委員会集中審議には「与党の反対」を盾に応じていないため、野党側は本来のテーマに追加する形で桜を見る会をただした。

 会の前日に開かれた後援会主催の「前夜祭」の疑惑について、首相は早口で答弁書を読み上げ「後援会としての収入、支出は一切ないことから、政治資金収支報告書への記載は必要ないと認識している」。野党席からはやじが飛んだが、これまでと異なりほとんど反応することはなかった。

 首相に代わり矢面に立ったのは菅義偉官房長官。同じころ、衆院内閣委員会で集中的に野党の追及を受けた。

 「自民党関係者の推薦が約6千人、総理から約千人…」。桜を見る会の推薦枠の内訳を初めて示し、各省庁に残る推薦者名簿についても「速やかに出させていただく」と続けた菅氏。政府関係者は「ある程度は野党に譲歩せざるを得なかった」と振り返った。

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 特定の政治家が公金で後援会員を接待しているんだろう-。一連の問題が表面化して以降、九州選出の自民党議員の事務所には連日、こんな苦情が地元から寄せられている。「長引けば、じりじり響いてくる」と秘書。内閣支持率の下落傾向が加速することへの警戒心を隠さない。

 野党は、立憲民主党の安住淳国対委員長がこの日、「『自民党枠』が6千なんて、自民党大会みたいな桜を見る会だったんじゃないか」「最高権力者が疑惑を持たれている中で、そうした(歴代最長の)日を迎えたのは皮肉だ」と指摘するなど、批判のボルテージを上げている。

 防戦一方の首相は夕方、新たに判明した安倍昭恵夫人の招待枠について記者団から問い掛けられたが、「ご苦労さま」とひと言、答えただけだった。 (河合仁志、川口安子)

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