東部堆肥センター好循環 悪臭苦情激減、処理負担減り飼育増 熊本市

西日本新聞 熊本版 長田 健吾

 熊本市が4月に開設した東部堆肥センター(同市東区戸島町)の稼働が順調だ。家畜のふんを持ち込む周辺の酪農家が多く、処理することで悪臭に対する住民の苦情も激減。地域で飼育する乳牛の頭数も増えている。好調な稼働を受け、市は28日開会の市議会定例会に提案する本年度一般会計補正予算案に運営費の増額分3700万円を盛り込んだ。担当課は「徐々に施設の効果が出始めている」と手応えを感じている。

 同センターは総面積約1万7300平方メートルで、総事業費13億9千万円かけて建設。周辺の酪農家39戸から乳牛のふん尿を有料で集め、約2カ月かけて堆肥化する。堆肥は酪農家に還元されるほか一般に販売。堆肥化に伴って発生するガスを発電に利用し、市東部浄化センター(同区秋津町)の電力の一部を賄っている。

 市によると、以前は酪農家が牛ふんを肥料としてそのまま畑にまいており、市に周辺住民から「悪臭がひどい」という苦情が多かった。悪臭対策と資源再利用を兼ねて、センターが開設された経緯がある。

 市は開設当初、1日当たりの処理量を75トンと予測していたが、開設後は徐々に利用者が増え、6月には1日96トンと1・3倍になった。現在は処理量も落ち着いているという。

 センターの開設効果も表れている。市によると、においに関する苦情はゼロに。重労働だったふん尿の自前処理が不要になって牛を増やした農家もあり、近年減少傾向にあった地域の乳牛は、稼働後に約400頭増えたという。

 市水保全課の永田努課長は「今後も安定して運営できれば、環境対策やエネルギー循環という観点からも地域に貢献できる施設になる」と期待する。

 センターを利用する酪農家の男性(64)は「苦情がなくなり、酪農家ものびのび仕事ができている。作った堆肥の効果が畑で出るには数年かかるので、長い目で見守っていきたい」と話している。(長田健吾)

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