岡部平太、小説や番組に 東京五輪控え功績に光

西日本新聞 ふくおか都市圏版 加茂川 雅仁 田中 耕

 近代日本スポーツの礎を築いた糸島市出身の岡部平太(1891~1966)を顕彰する動きが広がっている。波瀾(はらん)万丈の人生を描いた小説の出版、著者の講演会、小説を原作にしたドキュメンタリー番組の放送、岡部を題材にした小学校の道徳授業…。来年の東京オリンピックを前に、知られざる偉人にスポットライトが当てられた。

 小説は「Peace Hill 天狗(てんぐ)と呼ばれた男 岡部平太物語(下)」(幻冬舎)で、20日に出版された。わんぱくな幼少期から柔道家として成長するまでを描いた上巻に続き、米国留学、旧満州での活躍、長男平一を特攻隊で失った戦争の悲劇、そして福岡市の平和台創設-に至る完結編。岡部が世界を股に掛け、コーチとして生涯を全うするまでを描く。

 ドキュメンタリーは、福岡放送(FBS)の「目撃者f」で、25日午前1時35分からの30分番組。ニュースで6回放送された内容に新たな取材を加えて再編集したという。伊崎健太郎ディレクター(59)は「来年は戦後75年で東京五輪もある。スポーツと平和を愛した岡部平太を多くの人に知ってほしい」と話す。

 岡部の出身地、糸島市では全小で道徳授業を実施する計画。準備を進める東風(はるかぜ)小学校の石硯(いしずり)昭雄校長(55)は「困難を乗り越えた糸島の偉人の精神を子どもたちに受け継いでもらいたい」と語った。

 小説の著者・橘京平氏には講演の依頼が相次いでおり、12月6日には福岡市立中央市民センターで、同11日には東京・国士舘大で開催。岡部が留学した米国・シカゴ大では来年5月上旬から東京五輪・パラリンピック記念として、保管している岡部の資料が展示される。

 本紙で連載中の「平和台を創(つく)った男 岡部平太伝」の最終シリーズ第5部は、25日からスタート予定。最愛の息子を戦争で失った岡部が平和台を創設し、コーチとして再起する晩年までを描く。 (田中耕、加茂川雅仁)

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