プラごみ、福岡の空気中に 有害性、飛来経路分析 福工大確認

西日本新聞 一面 今井 知可子

 福岡工業大環境科学研究所(福岡市東区)の研究チームが、福岡市内の大気に微細なマイクロプラスチックが浮遊していることを確認した。九州地方の山岳地帯でこれまで採取した樹氷からも検出されている。海洋環境への影響が指摘されるマイクロプラスチックが大気中にも存在することは海外の論文などで明らかになっているが、九州の大気からの検出は初めて。地球規模で移動しているとみられ、研究チームは拡散ルートや量など実態の解明に乗り出す。

 研究チームの永淵修客員教授(環境科学)らは3月、東区の大学キャンパス屋上で大気や雨を採取。電子顕微鏡などを使って調べたところ、ポリエチレンやポリプロピレンの微粒子を確認した。

 マイクロプラスチックは海を漂うプラスチックごみなどが太陽光や波など自然の力で破砕され、直径5ミリ以下になったもの。海洋汚染につながる可能性があるとして世界的に注目されてきたが、大気中にあるマイクロプラスチックの研究は海洋ほど進んでいない。

 今年に入り、欧州の研究チームが標高約1300メートルのフランス・ピレネー山脈の大気中からマイクロプラスチックを検出したとの論文を発表。海洋や大気汚染地帯から遠く離れていることから、大気中を長距離にわたって移動することが明らかになった。

 だが、海洋のものよりさらに微細で目に見えず、移動・拡散の正確な範囲や量は不明。汚染状況の把握に向け、拡散ルートの解明や量測定、データの分析方法の確立などが喫緊の課題とされている。

 ルート解明手段の一つとして、永淵さんは寒波到来の際に山岳地帯にできる樹氷に着目。九州地方の樹氷は寒波が過ぎると溶けて地面に落ちやすいため、「どの寒波による樹氷なのか、越境飛来ルートが特定しやすい」ためだ。

 永淵さんは約30年前から九州の山岳地帯の樹氷に含まれる大気汚染物質を研究しており、同大の中澤暦研究員と越境する汚染物質の観測も続けてきた。今後、鹿児島県の屋久島や大分県の九重連山、韓国・済州島に降った雨や樹氷を採取し、分析を進める考えという。

 マイクロプラスチックが生物の健康に悪影響を及ぼすかどうかもよく分かっていないが、有害化学物質を吸着しやすいため、永淵さんは「人が吸い込むリスクがいずれ問題になるかもしれない」と警鐘を鳴らす。(今井知可子)

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