香港の今、感じて 大学突入時のショットも 24日まで博多で写真展

西日本新聞 阿比留 北斗

 天安門事件のように「なかったこと」にはさせない-。政府への抗議活動が本格化した今年6月以降の香港を記録した写真展が22日、福岡市博多区の「アートスペース・テトラ」で始まった。マスク姿で抗議するデモ隊をはじめ、大学構内に突入する警察の姿など貴重な1枚もある。写真には自由を求める市民の「怒り」や、公権力による抑圧の「怖さ」がにじみ出ている。24日まで。

 撮影したのは東京在住で、元NHK報道カメラマンの写真家児玉浩宜(ひろのり)さん(35)。香港の知人から抗議活動の様子を聞き、6月11日に初めて現地入りした。その後も月1回は足を運び、数日から10日ほど滞在して撮影を続けた。

 香港は大学卒業後に訪れた経験はあるが「観光を楽しんだあの時とは全く違う風景だった」。児玉さんの写真は抗議活動の変化を克明に記録している。

 6月ごろは、傘を手に行進するデモ隊や見守る警察が写され、目立った衝突も少ない。7月に入ると、デモ隊が立法会に突入し、抗議が激しくなる。9月の写真は催涙弾の煙でかすむ街の様子。11月に入ると、放水車から「目や肌に触れると痛くてたまらない」という薬剤入りの水を浴びせられるデモ隊の姿も写し出している。

 香港理工大を訪れた児玉さんは今月18日早朝、構内に突入してきた警察官の姿も写真で捉えた。火柱の中を逃げ惑い、構外に脱出して逮捕された学生の姿も撮影。突入前には食堂に並んで腹ごしらえしていた学生の写真もあり、大きなギャップを感じさせる。

 児玉さんが撮影した写真は2万枚に及び、会場には厳選した約120枚が時系列で展示されている。児玉さんは「現地に入って、香港の痛みを記録として残さないといけないと感じた。決して傍観者にならず、香港の今を共に感じてほしい」と訴える。今後も香港を撮り続けるという。

 観覧無料。(阿比留北斗)

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