米国、文政権への不信残る GSOMIA失効回避

西日本新聞 総合面 田中 伸幸

 日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、米国は韓国に破棄決定の見直しを強く求める一方、日本にも韓国との対話を働き掛けてきた。今回、協定失効は回避されたが、米政府内には文在寅(ムンジェイン)政権に対して「北朝鮮に寛容すぎる」との不信感が高まるなど今後の日米韓連携の維持や強化に不安がくすぶる。

 ポンペオ米国務長官は21日、韓国の康京和(カンギョンファ)外相と電話会談し、日韓関係の重要性を改めて確認。議会上院も同日、日韓に信頼回復に向けた措置を促す決議案を超党派で可決した。非核化を巡る米朝協議が難航する中、GSOMIA失効で日米韓の連携が揺らぐことへの危機感の表れといえる。

 米韓は11月の合同軍事訓練を延期するなど一定の譲歩を示すが、北朝鮮は強硬姿勢を崩さない。文政権が北朝鮮に融和姿勢を取り続けることに「韓国は我慢し過ぎだ」との声が上がる。

 米政府内で文大統領の対北朝鮮政策は、韓国のかつての融和政策「太陽(サンシャイン)政策」と文氏の名字の発音を掛けて「月(ムーンシャイン)」と呼ばれることがある。関係者は「ムーンシャインには『荒唐無稽』の意味がある。文氏の政策は良くない」といら立ちをにじませた。

 米政府内には日本へも「韓国と対話を重ねるべきだ」(外交筋)と不満がある。大統領選まで1年を切ったトランプ大統領は日韓に駐留米軍経費の負担増を迫り、再選へ向けた成果としたい思惑もある。 (ワシントン田中伸幸)

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