韓国、処理水情報を要請 北九州市で日中韓環境相会合

西日本新聞 総合面 竹次 稔 内田 完爾 東 祐一郎

 日中韓3カ国の環境相会合が23日、2日間の日程で北九州市のホテルで始まり、小泉進次郎環境相は韓国の趙明来(チョミョンレ)環境相、中国の李幹傑生態環境相と個別に会談した。環境省によると、韓国側は東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に絡み、引き続き情報提供するよう要請。小泉氏は会談終了後、記者団に「今後も正確な情報を、透明性を持って丁寧に説明していく」と述べた。24日は3カ国の全体会合を開き、共同声明を採択する予定。

 日中の会談では来春の習近平国家主席の訪日に合わせ、2国間の包括的な環境協力に関する覚書の締結を目指すことで合意した。

 24日の会合は来年策定する3カ国の「共同行動計画」に盛り込む協力の優先分野の決定が主要なテーマ。行動計画は2010年から5年ごとに策定しており、今年で期限を迎える第2次行動計画にも盛り込まれている気候変動や海洋プラスチックごみ問題が優先課題に挙げられるとみられる。

 3カ国の環境相会合は1999年に始まり、北九州市での開催は2回目。小泉氏は会合に先立ち、「北九州は公害を克服しており、気候変動の取り組みなどを議論するのにうってつけの街だ。気候変動、海洋プラスチックごみの抑制についても中国から前向きな一歩を引き出したい」と述べた。 (内田完爾、東祐一郎)

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■韓国「日本の努力理解」 処理水問題 融和ムード演出

 日韓両国の環境相会合では、韓国側が東京電力福島第1原発の処理水問題を持ち出したものの、「日本政府の努力を理解し、政策を信頼している」と繰り返し付言し、配慮をにじませた。22日に日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効回避が決まった流れを受け、国内世論に配慮をしつつも一致点が見つけやすい環境分野で「融和ムード」を演出したい両国の思惑も透けて見えた。

  環境省によると、日韓の会談は50分の予定が約1時間20分と約30分間長引き、最後に韓国側が事務方同士の調整では議題に入っていなかった処理水問題を取り上げた。

  この問題は韓国内で懸念があり、韓国側は「科学には不確実性がある」と伝えたものの、小泉進次郎環境相が従来通りの説明をすると、それ以上の議論にはならなかった。日本側関係者は「簡単なやりとりで終わった」と胸をなで下ろした。

  小泉氏は会合前、記者団に日韓関係をどう改善するか問われ、「いかなる政治状況でも一度も途絶えることなく続けてきたのが日中韓の環境相会合だ」と述べ、環境分野で日韓両国が協力する重要性を強調した。 (竹次稔)

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