デモ隊衝突、民主派伸長は 香港区議選24日投票

西日本新聞 国際面 川原田 健雄

 【香港・川原田健雄】政府への抗議活動が続く香港で、区議会(地方議会)選挙が24日に投開票される。有権者が1人1票を投じる区議選は「香港で最も民主的な選挙」とされ、デモが本格化した6月以降、初めて示される民意に注目が集まる。デモ隊と警察の衝突で選挙の実施が危ぶまれる中、民主派と親中派の各候補は激しい選挙戦を繰り広げている。

 「香港理工大でのデモ隊と警察の衝突以降、選挙情勢が複雑になった」。新界地区の選挙区に民主派候補として立候補する張秀賢氏(25)は厳しい表情を浮かべた。

 区議選には18区計452議席に史上最多の1090人が立候補。市民の反政府感情が高まる中、現在3割程度の議席を持つ民主派が躍進すると予想される。しかし張氏は「衝突の激化で市民の安全が大事だというムードが広がった」と指摘。デモ隊による交通妨害への批判などもあり「民主派が勝利するとの確証を持てない」と話した。

 デモ支持か否かで分断が進む香港社会。区議選でも民主派と親中派の双方の候補が襲われる事件が相次いだ。

 九竜地区東部の選挙区に初めて立候補した民主派の梁凱晴氏(25)は街頭でチラシを配っていると突然、見知らぬ男に後頭部を殴られた。犯人は分からないまま。心配した家族から立候補の取り下げを勧められたが「やめたら暴力に屈したことになる」と街頭に立ち続けてきた。「手応えはある。最後まで諦めない」と語った。

 4年前の前回選挙で約3分の2の議席を獲得した親中派だが、今回は苦戦が予想される。親中派の政党「民主建港協進連盟」(民建連)は21日に香港島・金鐘の公園で決起集会を開催。100人を超える候補者が集まり、全身黒ずくめのデモ隊に見立てた黒いボールを蹴るパフォーマンスを披露した。民建連主席の李慧〓氏は「かつてない厳しい選挙。香港の秩序を取り戻すため投票しよう」と支持を呼び掛けた。

 会員制交流サイト(SNS)上では、劣勢を伝えられる親中派候補の支持者が「デモ隊のふりをして騒動を起こし、投票を中止させようとしている」との真偽不明の情報も飛び交う。

 香港警察は選挙当日、デモ隊による投票所の襲撃などを警戒し、3万人規模の警官らを動員する予定だ。

※〓は「おうへん」に「京」

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