工藤会トップ、家族も接見禁止5年超 人権上問題ある 口裏合わせ危惧

西日本新聞 社会面

 特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)が関与したとされる市民襲撃4事件を巡り、殺人などの罪に問われた同会トップで総裁の野村悟被告(73)と、ナンバー2の会長田上不美夫被告(63)は2014年の逮捕以降、約5年2カ月にわたり家族を含めた接見禁止が続いている。野村被告の弁護側は18日、家族の接見禁止を解くよう申し立てたが、福岡地裁は19日付で解除しない判断をしたという。

 両被告は14年9月、1998年に元漁協組合長を殺害した容疑で逮捕されて以降、家族を含めた接見が禁じられている。

 裁判所は刑事訴訟法に基づき、容疑者や被告に証拠隠滅の恐れがある場合、検察官の請求や職権で接見禁止の処分をする。弁護人は対象にはならないが、家族を含めた全面禁止のほか、書類の授受だけを禁止することもある。

 弁護側は複数回、野村被告の家族について接見禁止の解除を申し立てたが、地裁はいずれも認めなかった。ただ、両被告の裁判では争点や証拠を整理する公判前整理手続きが今年10月に終了し、公判も始まった。

 弁護側は今回の申し立てについて「公判前整理手続きは終わり、家族の面会時は刑務官が立ち会う。証拠隠滅を図るはずがない。家族も面会を強く望んでいる」とし、人権上も問題だと主張している。

 一方、検察側は「野村被告が工藤会へ与える影響は今なお大きい。家族であっても隠語を使うなど何らかの方法で口裏合わせを依頼する可能性がある」と強調する。

 元裁判官の陶山博生弁護士(福岡県弁護士会)は「5年を超えて家族も接見できない状態は異例ではあるが、工藤会の組織性を踏まえるとやむを得ない判断だ」と指摘。元福岡高検検事で西南学院大法科大学院の小野寺雅之教授(刑訴法)は「裁判所は家族を組織との意思疎通の仲介として利用する可能性も考慮したのではないか」としている。

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