大雨で流される家を、家族がぼうぜんと眺める

西日本新聞 社会面 中川 次郎

 大雨で流される家を、家族がぼうぜんと眺める。実際の水害がモデルとなったテレビドラマ「岸辺のアルバム」のワンシーン。出演した俳優八千草薫さんの死去を受け、学生の頃に再放送を見て、衝撃を受けたことを思い出した。ただ、あくまでもドラマ。当時は、自分の周りで起きるとは思わなかった。

 2017年7月の九州豪雨。福岡県朝倉市の松末(ますえ)地区を取材中、猛烈な雨に恐怖を感じ、松末小3階に避難した。窓の外では川が氾濫し、民家が一気に流された。集落が壊滅的な打撃を受け、福岡・大分で死者・行方不明者は計42人。現実はドラマを超えた。

 「堤防は壊れないと思っていた」。10月の台風19号で堤防が決壊し、自宅が被災した長野市の住民は、マスコミの取材にこう答えていた。

 各地で豪雨が猛威を振るう。「想定外」は通用しない。災害や防災を「わが事」と思えるかどうかで、助かる命がある。 (中川次郎)

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