警察官がうその証言 逮捕の二本松さん 再審弁護団集会で体験報告 熊本

西日本新聞 熊本版 壇 知里

 警察官のうその証言によって逮捕・勾留されたが、国賠訴訟を通して9年半かけて自らの無実を証明した二本松進さん(71)=東京都新宿区=が、玉名市の生命山シュバイツァー寺で行われた九州再審弁護団連絡会の集会に参加、「今の法律や制度は組織が冤罪(えんざい)を隠せる仕組みになっており、見直すべきだ」と訴えた。

 すし店を営む二本松さんは2007年10月、駐車違反の有無を巡って女性警察官と口論に。「暴行を受けた」と虚偽の証言をされ、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕、19日間勾留された。

 検察官に「自白調書にサインすれば起訴しない」と言われて署名。起訴猶予処分となったが「警察官のうその供述で逮捕され、罪は犯していない」として09年、東京地裁に提訴した。

 国賠訴訟は長期化しがちで、被告側に証拠書類の提出義務がないため原告側の主張の証明が難しい上、勝訴しても賠償額が低い傾向にある。二本松さんも「何度頼んでも、裁判所は証拠書類の提出を(警察側に)命令してくれなかった」。

 警察官の供述調書が出てきたのは提訴から4年後。事件直後は「直接殴られた」としていたが、検察官の取り調べには「かばん越しに押された」と変化。二本松さんが署名を求められた検察官の調書に沿うように、警察官の供述も変遷しているかのようだった。

 また、警察官が負ったとする傷の位置が、再現実験などから不自然であることも判明。東京地裁は16年3月、証言の信用性を否定し「違法な逮捕」と認め、警察側(東京都)に240万円の損害賠償を命じた。「無実を認められるか、判決までずっと絶望的な気持ちだった」。裁判を通じて、法制度と司法組織に憤りを感じた二本松さん。現在は冤罪被害者らでつくる市民団体に所属し、自らの体験を各地で話している。

 二本松さんを招いた八尋光秀弁護士は「警察のうそを国賠訴訟を通して証明するのは非常に難しく、この裁判の意義は大きい」と語った。

 集会は、九州の弁護士や学者、冤罪の被害者らが再審制度の問題点を議論する場として毎年開催。今年は16、17日にあった。 (壇知里)

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