香港、民主派議席85% 区議選、デモの民意反映

西日本新聞 一面 川原田 健雄

 【香港・川原田健雄】香港で24日に実施された区議会(地方議会)選挙は25日、開票結果が確定し、民主派が全452議席の85%に当たる385議席を獲得して圧勝した。香港メディアが伝えた。1997年の中国への香港返還後、民主派が過半数を獲得したのは初めて。市民の抗議活動に強硬姿勢で臨む香港政府と中国の習近平指導部に対し、民意が「ノー」を突き付けた形で、政府側の対応が注目される。

 中国外務省の耿爽副報道局長は25日の記者会見で「香港当局による暴力と混乱の制止を支持する」と改めて表明。今後も習指導部が柔軟姿勢を示さなければ、抗議活動が再び激化する可能性もある。

 香港メディアによると、親中派は選挙前の292議席から59議席に減らした。区議選は抗議活動が本格化した6月以降、初の香港全域での選挙。有権者の関心が高まり、投票率は71・2%と4年前の前回を約24ポイント上回って、中国への返還後最高を記録した。

 区議会は立法権などがなく、実質的な権限は限られるが、行政長官を選ぶ選挙委員会1200人のうち117人は区議から選出される。地元メディアは圧勝した民主派が区議枠の全てを獲得する見通しだと報じており、行政長官選にも影響を与えそうだ。

 区議選で民主派は若者などを積極的に擁立。全選挙区で親中派と対決する構図となった。デモに強硬対応を続ける香港政府や、それを支持する中国政府への反発が若者を中心に拡大。3割程度の議席数だった民主派の躍進を後押しした。親中派は社会の安定を訴えたが、巻き返せなかった。

 香港政府トップの林鄭月娥行政長官は25日、声明で「政府は選挙結果を尊重する。市民の意見に謙虚に耳を傾け、真剣に反省する」と強調。一方で「平和で安全な秩序ある状況がこのまま続くことを願う」とデモ隊をけん制した。

 民主派最大政党、民主党の胡志偉主席は25日記者会見し「中央政府は香港人の民主的な政治体制への要求を直視しなければならない」と強調。平和的なデモを主催してきた民主派団体「民間人権陣線」も「闘いはまだ終わっていない」と抗議活動の継続を表明した。

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