漁協、国への不信あらわ オスプレイ巡り知事と会談

西日本新聞 佐賀版 金子 晋輔

 「国防の説明がないまま進んでいるように思える。こんな事業がある、というのは逆だ」。陸上自衛隊オスプレイ佐賀空港配備計画を巡り、26日にあった山口祥義知事と県有明海漁協の徳永重昭組合長の会談。組合長は報道陣に対して国への不信感をあらわにした。「非常に憤慨している」と厳しい言葉を使うほどで、漁業者と国との深い溝が改めて浮き彫りとなった。何があったのだろう。

 漁協によると九州防衛局は9月中旬から今月上旬まで、漁協の13支所で計画への理解を求める説明会を実施。県は配備後、着陸料として100億円の漁業振興基金を創設する方針を示しているが、防衛局は別の振興策に触れているという。

 西日本新聞が関係者から入手した資料では「漁協(研修施設)改修」、「水産加工施設」や「冷凍施設」、「漁港修築事業」などを列挙。民生安定助成事業として3分の2の補助をうたう。漁協関係者は「これは一例。受け入れればいろんな振興策があると国は説明している」と明かし、自民県議の一人は「これ以上ないメニュー」と語った。

 手厚い支援に見えるが、資料にはこんな一文もある。「事業実施に当たっては、防衛施設との因果関係が必要となります」

 因果関係-。この言葉は漁業者にとって特別だ。

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の実施以降、有明海では貝などの漁獲量が減少。漁業者が事業との因果関係を明らかにするよう調査を求めても国は応じず、法廷闘争は長期化している。

 漁協幹部からは「受け入れても結局、国は因果関係はないとするのではないのか。詐欺のような話だ」、「ニンジンをぶら下げれば受け入れると思っているのか。ばかにしている」といぶかる声も聞こえる。徳永組合長の発言はこうした怒りを代弁した形だ。

 会談の中で徳永組合長から「国には国防の観点で(受け入れが)必要と正面から訴えてほしい」と言われたという山口知事。報道陣の取材にこう強調した。「国が本当に(配備)要請について真摯(しんし)な態度で漁業者に向かい合えるのか。極めて大きな焦点になる」 (金子晋輔)

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