久留米の歴史、九歴で特別展 石斧、仏像、洋画…地域の宝紹介

西日本新聞 筑後版 大矢 和世

 九州歴史資料館(小郡市三沢)で展示室の改修完了後、初の特別展として「久留米-その歴史と文化」が開催中だ。全5章あり「それぞれの章で単独の企画展を開けるほど」(九歴の担当者)だが、久留米市の旧石器時代から近代までを総覧しようと試みている。12月8日まで。

 1章は「久留米の地宝」。遺跡や経塚からの出土品などを展示する。正福寺遺跡(縄文期、国分町)で見つかった「直柄石斧(なおえせきふ)」は柄付きの石斧としては国内最古の出土例。「湧水地で水に漬かっていたため、木が腐食せず残った」と遠藤啓介学芸員。水の豊かな地でこそ残された宝と言える。

 2章「高良大社とゆかりの宝物」は、市が高良大社で進める総合調査の一端も盛り込む。「高良大社画縁起(ええんぎ)」(江戸期、県指定文化財)は、祭神にちなむ伝承を図解した説話図と、神仏習合の頃のにぎわいを示す社頭図から成る。明治期の神仏分離の際、大社のある高良山から降ろされた仏像も並ぶ。「十一面観音立像(りゅうぞう)」(室町期、福聚寺=ふくじゅうじ=所蔵)など3体の立像もその一部。寺に移ってからは原則60年に1度しか御開帳されない。「(高良山では)千年以上、神仏一体の心象風景があった。ここで神仏が向かい合うのは100年ぶり」と井形進学芸員は語る。

 3章は「神子栄尊(じんしえいそん)-久留米生まれの入宋僧」。栄西の孫弟子の禅僧で南宋へ留学、久留米市の夜明山朝日寺、大分県宇佐市の霊松山円通寺などを開いた。朝日寺の「十一面観音立像」(鎌倉期、市指定文化財)は優美で堂々たる威容だ。「観音には航路守護の意味もある。観音を通して考えると、筑後川、有明海と水路が広がる世界が影響したのでは」と井形学芸員。

 4章は青木繁、坂本繁二郎、古賀春江、高島野十郎などそうそうたる顔ぶれの「近代洋画と久留米」。5章は現代は途絶えたが一時は海外へも輸出されていた「久留米ガラス」など工芸に光を当てる「久留米の伝統工芸」。いずれも見応えがある。一般210円、高校・大学生150円、中学生以下無料。月曜休館。

 九歴=0942(75)9575。 (大矢和世)

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