日韓改善へ大統領の意志 GSOMIA失効回避、文政権補佐官に聞く

西日本新聞 国際面 池田 郷

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領のブレーン、文正仁(ムンジョンイン)統一外交安保特別補佐官が西日本新聞のインタビューに応じた。文補佐官は、韓国が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)の失効を回避したのは「日韓関係改善に向けた文大統領の強い意志だ」と強調。元徴用工問題では、韓国国会の文喜相(ムンヒサン)議長が提案した日韓の企業や個人の寄付を賠償金の代わりに充てる案を評価した。 (聞き手はソウル池田郷)

 -韓国がGSOMIAの当面延長を決めたのは米国の圧力が大きかったのか。

 「文大統領に韓日関係を改善したいという強い意志があったからだ。日本からも相応の(前向きな)シグナルが来ていた。米国の圧力は変数として作用したと思うが、絶対的ではない」

 -文大統領は日韓関係をどう考えているのか。

 「就任以来一貫している。日本は重要な隣国であり、戦略的問題と経済的問題は協力し続けていく。しかし歴史問題は国民感情があり、首脳間だけでの解決は難しい。時間をかけて解決していこうという立場だ」

 -元徴用工問題をどうするか。

 「文議長の案は比較的合理的だ。歴史問題を(両国民の寄付によって)市民社会が解決する意味は大きい。差し押さえられた被告企業の資産の現金化を防ぐことができ、韓日間に交渉の余地が生まれる」

 「(元徴用工訴訟は)民事訴訟であり、文政権が介入できる法的・制度的な根拠がない。韓国国会が(文議長案を基に)特別法を作れば、政府はかなり楽になる。行政府としての縛りが解けるからだ。日本の国会や自民党も、韓国国会と対話を深めてほしい」

 -12月に中国で日韓首脳が会談する可能性がある。

 「中国で(会談して)良い雰囲気をつくり、文大統領が訪日して安倍晋三首相も訪韓すれば、新しい関係の始まりになるだろう」

 -北朝鮮の非核化問題で韓国はどういう立場に立っているのか。

 「(GSOMIA問題で)韓国の保守勢力は韓米同盟の危機だと主張していたが、北朝鮮問題では韓米の方針は100パーセント一致している。そのため北朝鮮が韓国との対話を遮断するなど南北関係が悪化している面もある。南北関係を犠牲にはできないが、米朝交渉をうまく進めるには良好な韓米関係が前提となる。ただ韓国には今のところ切り出せるカードがない。当面は推移を見守りたい」

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