朝晩はぐっと冷え込み、寒風が肌を刺す…

西日本新聞 オピニオン面

 朝晩はぐっと冷え込み、寒風が肌を刺す。冬本番が近い。先の水害で肉親や住む家、財産を失った人々のことが気掛かりだ。災害はとかく地方に集中し、復興は遅滞する。その理不尽さも改めて思う

▼先頃、テレビが東京のJR山手線の線路切り替え工事を大々的に報じた。品川-田町間に建設中の新駅開業に向けた作業。一部区間が始発から夕刻まで運休し、困惑した乗客らの声が電波に乗った

▼山手線各駅の1日平均利用者(乗車人員)は新宿78万人、池袋56万人、品川38万人など他の路線より格段に多い。その分、運休の影響は大きい。けれども違和感も覚えた。運休は1日限りで予告されたこと。私鉄各線が網の目のように走る東京ではJRの代替路線も多い。そう騒ぐ話ではなかろう、と

▼JRの八戸線・吾妻線・水郡線、上田電鉄、三陸鉄道、阿武隈急行…。東日本各地を走るこれらの鉄道は台風19号で寸断され、復旧のめどが立たない路線もある

▼宮崎では、かつて台風被害で廃線に追い込まれた高千穂鉄道の復活を目指す取り組みも続く。過疎や高齢化に悩む地域が災害で一段と疲弊してしまう悲劇が繰り返されぬよう、地道な支援を続けたい

▼小規模でも地域のために踏ん張る鉄道事業者は多い。俳優の高倉健さんが亡くなって今月で5年。ローカル線とともに実直に生きた「鉄道員(ぽっぽや)」-。健さん主演の名作映画を今年も思い出す。

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