読者の声励みに来年15周年 飯塚藝術文化新聞 年4回、5000部発行

西日本新聞 筑豊版 田中 早紀

 嘉飯山地区の芸術情報を伝える「飯塚藝術文化新聞」が来年、創刊15周年を迎える。年4回、手作りで5千部を発行してきた原動力について、発行人の横山祐三さん(78)=飯塚市=は「読者から喜ばれること」と話す。節目を記念し12月8日午後4時から、飯塚市のイイヅカコミュニティセンターに郷土史家の竹下茂木さんを迎え、講演会を開催する。

 同紙は2005年9月、「芸術文化で元気なまちづくり」を合言葉に、書家の横山さんをはじめ絵画、演劇、写真など各分野の芸術家約20人によって創刊された。

 現在、同紙はA4判・8ページで、横山さんらが取材、執筆に当たる人物紹介や寄稿などで構成している。

 横山さんにとって思い出深いのは、15年春に発行した紙面。飯塚市出身の画家、野見山暁治さんが文化勲章受章に合わせ、手記を寄せてくれた。母校の旧制嘉穂中学(現嘉穂高)時代をつづっており、奮発してカラー印刷した。「野見山さんはいまも、ジーンズをはいてかくしゃくとし、母校で教えていてすごい」と憧れる。

 横山さんは、現役の書道教員時代に本紙筑豊版で連載を担当していたこともある。飯塚藝術文化新聞のコラム「五平太舟」では、時事ネタも取り入れる。最新号の58号では、9月の国連気候行動サミットでスピーチしたスウェーデンの少女の言葉を取り上げ、「いまや、直截(ちょくせつ)に真実を衝(つ)き、行動を起こす若者のエネルギーは目覚ましい」などと述べている。

 新聞は、嘉飯山地区の学校や図書館、公民館などに無料配布している。配布先の「のがみプレジデントホテル」(飯塚市)では、ほかの地域から訪れた利用者が、従業員に「こんな新聞を作っている飯塚はすごい」と声を掛けたこともある。

 「当初は3年持つかなと考えていた」という横山さん。東京や北九州市、福岡市などからも感想の手紙が届いたり、俳句を載せた小中学生の母親らから記事を保存していると聞かされたりして「勇気をもらってきた」と振り返る。

 来月8日に開く講演会では、紙面で紹介してきた若手の女性サックス奏者やピアニストによる演奏もある。 (田中早紀)

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