トランプ氏、カンボジア首相に体制保証 元野党党首帰国問題の中、書簡

西日本新聞 国際面 川合 秀紀

 【バンコク川合秀紀】トランプ米大統領が今月初め、カンボジアで事実上の一党独裁を敷くフン・セン首相宛てに「(米国は)政権交代を求めない」と明記した書簡を送っていたことが分かった。カンボジアでは当時、独裁打破を求める元最大野党党首らの帰国計画を巡って緊迫した時期だったが、トランプ氏はそのさなかに“体制保証”の考えを示していたことになる。

 ロイター通信やカンボジアの複数メディアが伝えた。書簡は今月1日付でトランプ氏の署名付き。冒頭に「米国はカンボジアの平和と安定、繁栄にコミットし続けてきた」と説明。その上で「米国はカンボジアの主権を尊重しており、政権交代を求めていないことを強調したい」とした。

 カンボジアの複数メディアは27日、フン・セン氏が返信として「あなたの明確な声明に何よりも安心した」などとする26日付書簡を作成したと報じた。

 両国関係を巡っては2017年、カンボジア当局が別の元最大野党党首を、米と共謀して政権転覆を図った疑いで逮捕。以降、関係が悪化している。トランプ氏は書簡の後半で「関係改善には民主的な統治の回復が重要」と指摘。海外メディアの多くはトランプ氏が元野党への弾圧をやめるよう求めたと報じたが、カンボジアのメディアは「米は政権交代に関心なし」(クメール・タイムズ)と強調して伝えている。

 今月9日を計画していた元最大野党党首の帰国は実現しなかった。当局は10日、別の元党首の自宅軟禁を解除したが、政治活動はなお認めていない。

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