ギョ!魚!漁!鹿児島魚市場ツアー 競り、解体訪日客に人気

西日本新聞 もっと九州面 上野 和重

■「異空間感じるのが魅力」

 南北600キロに広がる鹿児島県は黒潮の恩恵を受けて海産物が豊富。各地の漁場で捕れた鮮魚の集積地が鹿児島市の魚類市場だ。この市場を探索するツアーが訪日客の人気を集めているという。その名も「ギョ!魚!漁!かごしま魚市場ツアー」。ツアーに同行し魅力を体験した。

 「マイネームイズリューチャン。ナイストゥミーチュー」。午前7時すぎ、この日の案内人、ホテル社長の橋本龍次郎さん(55)が自己紹介してスタートした。参加者は香港から6人、フランス2人、フィリピンと日本が1人ずつの計10人。ツアー客用の帽子をもらい、入り口で長靴に履き替えて魚が並ぶ競り場に入る。

 「チリンチリン」。鐘が鳴り響き、威勢のいい掛け声が聞こえる。「鐘はオークションのスタートの合図。参加者は板で値段を伝え、一緒だとジャンケンで決めます」。通訳ガイドがジャンケンポーズも交えて説明すると外国人は興味津々の様子で、盛んにカメラのシャッターを切る。

 トロ箱にはタチウオやクエ、シイラなど外国人が見慣れない魚も少なくない。南さつま市の笠沙沖で捕れたクエは米国ニューヨークに輸出される目印があった。鹿児島を代表するキビナゴは「ソウルフィッシュ」と紹介、イラストで食べ方も説明した。岸壁につけたカツオ漁船や仲店で魚をさばく様子も見学。途中、さつま揚げを試食した。

   ◇  ◇

 ツアーは橋本さんら地元の七つのホテルが実行委員会を作り、2011年3月の九州新幹線全線開通を機に始めた。鹿児島の魅力を伝える体験型プログラム。ローカルホテルの生き残り策として宿泊者向けにスタートさせたが、世界的に有名な旅行ガイドブック「ロンリープラネット」で13年に紹介されてから海外観光客が急増。今年はツアー参加者約800人の9割に上る。予約も多く、断る場合もあるという。

 「普段入れない場所で間近に競りや魚を見られる。異空間を感じられるのが受けていると思う」と橋本さん。妻と共に訪れた香港の男性(64)は「オークションに活気があってとても面白かった。いい伝統だと思う」と話した。

 その日の状況によって、魚の種類や量も変わり、ツアーの行程も変わる。この日は残念ながらマグロ解体ショーと試食、製氷の取り出しなどが見学できなかった。

 気付くと8時を回り、ツアーも記念撮影で終了。希望者は市場内の食堂で朝食を取って解散となる。フランスの男性2人は大好きというすしを味わい、満足そうだった。私も少し割高だが新鮮な刺し身と貝汁を頂き、市場を後にした。 (上野和重)

 ▼かごしま魚市場ツアー 原則3月から11月の毎土曜日で、今年は受け付けが終了。鹿児島市城南町の中央卸売市場魚類市場に午前6時45分に集合し約1時間かけて市場内を巡る。市場まではJR鹿児島中央駅から車で約15分。天文館エリアから車で5~10分、徒歩20~30分。料金は大人2千円。小学生以下千円。主催する市内の七つのホテル宿泊者は大人500円、小学生以下無料。スケジュールや予約状況はフェイスブック(かごしま魚市場ツアー)で確認を。問い合わせはホテル南洲館=099(226)8188。(月-金曜午前9時~午後5時)

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