ストップ気候変動! 対策求め活動する人々 記録映画「気候戦士」公開

西日本新聞

 地球温暖化とそれに伴う気候変動が身に迫る課題となる中、再生可能エネルギー(再生エネ)への転換を呼びかける記録映画「気候戦士~クライメート・ウォーリアーズ」(カール・A・フェヒナー監督、86分)が29日、都内を皮切りに公開される。国際社会や国に対策を求めたり、再生エネ発電を起業したりする人々を紹介しつつ、ドイツの先進例などを通じて、脱化石燃料、脱原発へ加速するドイツの大転換を見る。

 映画は、パリ協定離脱を決めて、二酸化炭素(CO2)の排出量が多い石炭火力への回帰へ向かう米国のトランプ大統領を「敵役」に据え、シュワルツェネッガー・元カリフォルニア州知事を筆頭に、地球温暖化と気候変動を止めるため活動する主に米国、ドイツの「戦士」たちを活動映像やインタビューで紹介する。

 150カ国以上で数百万人が参加したという9月20日の統一抗議行動「グローバル気候マーチ」で、スウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(16)をはじめ若者たちの危機感がクローズアップされた。

 映画では、気候変動対策を軽視するトランプ政権を「生存権を侵害している」と提訴した若者の一人で、コロラド州在住の先住民ラッパー、シューテスカット・マルチネスさん(19)を追う。6歳の時に集会で意見表明、15歳で国連本部において演説した経験をもつ環境保護団体の若者リーダーだ。

 戦士は多士済々だ。ぜんそくを患い大気汚染対策を訴える女子大生、ネット番組で時にスーパーウーマンのような格好をして気候科学情報を伝える活動家、土壌のCO2吸収効果を研究する環境コンサルタント、家庭訪問し省エネ方法を伝授・助言する省エネアドバイザー、わらの固形燃料化など再生エネの起業家…。それぞれの闘いには困難もあるが、「正しい道」を行く志と自負が伝わる。

 ★「見過ごせると考えるのは愚か」

 戦士列伝と同時に、フェヒナー監督は、煙を上げる石炭火力発電所などの映像に対置して、ドイツを中心に気候変動対策の先進例を次々と繰り出す。

 屋上を太陽光パネルで覆った団地や、パッシブハウス(省エネ住宅)への改修、再生エネ発電の余剰電力を気体燃料に変換する事業を試みる自動車メーカー、余剰電力をためて再生エネの変動に備える産業用蓄電池プラント、モビリティー(移動・交通)の脱化石燃料化…。最先端の映像の連なりは、再生エネの本格導入へかじを切ったドイツのダイナミズムが伝わってくる。

 「将来の展望が必要だ。このまま見過ごせると考えるのは最も愚かだ」。こう語るドイツの未来学者の言葉は、なお石炭火力にしがみつく日本の現状への痛烈なストレートパンチに聞こえる。

 その未来学者は、個人の温暖化対策として飛行機の利用と肉食を制限しているという。COP25開催地・スペインへの渡航に飛行機を使わずヨットを選んだトゥンベリさんを連想する。そうした志と個人的な実践が決してクレイジーでもエキセントリックでもなく、一定の理解を得る地球の危機的状況とそれに伴う民意の変化を感じずにはいられない。

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