米民主 ブティジェッジ氏、支持伸ばす 穏健、知性的…好感呼ぶ

西日本新聞 国際面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】米大統領選の野党民主党候補者指名争いで、中西部インディアナ州の市長ブティジェッジ氏が支持を伸ばしている。来年2月に指名争いの初戦となる党員集会が開かれる中西部アイオワ州で各種世論調査の平均支持率のトップに立ち、27日には全米でも初めて支持率10%を突破した。だが、同氏に国政経験がない点や、同性愛者であることを公表していることに抵抗感を抱く有権者もおり、党内の混戦を抜け出すほどの勢いには至っていない。

 ブティジェッジ氏は名門ハーバード大卒の37歳。民主党の有力候補が軒並み70代と高齢な中、「世代交代」や「既存政治の打破」を訴える。政策は中道路線だ。党討論会では、国民皆保険の導入といった大規模な改革を声高に唱える左派候補らに対し、冷静な語り口でばらまき政策だと批判し「公的支援は必要な国民に講じる」と主張。オバマ前大統領をほうふつとさせる知性的な候補として知名度を上げている。

 民主党支持層だけでなく無党派や与党共和党支持層も意識し、アフガニスタンでの従軍経歴を強調。27日発表のCNNテレビの全米世論調査では支持率が11%に達し、首位の中道派候補バイデン前副大統領とは17ポイント差ながら4位に付けた。同日の各種調査の平均で初めて2桁の10・5%を記録。26日の別の調査では16%を獲得し、支持率が急落した最左派のウォーレン上院議員をかわして2位に浮上した。

 不安材料も抱える。バイデン氏らは地方政治の経験しかない若いブティジェッジ氏の「実績不足」を指摘。さらに地元サウスベンド市で今年6月、黒人が白人警官に射殺された事件で市長として対応が不十分だったと黒人住民から批判を浴び、主要な民主党支持層である黒人層からの支持率は数%台に低迷している。

 最大の懸念は「同性愛」だ。民主党浮沈の鍵を握る若い世代には抵抗が少ないとはいえ「激戦地の中西部では民主党支持者でも保守的な考え方が根強く、支持拡大の支障になる」(民主党支持の40代男性)。トランプ大統領に批判的な80代男性は「(ブティジェッジ氏のパートナーの)男性がファーストレディー(大統領夫人)のような立場になる状況を米国人が受け入れられるとは、現状ではとても思えない」と言い切った。

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