菓子問屋128年の歴史に幕 日田市の財津製菓

西日本新聞 大分・日田玖珠版 笠原 和香子

 日田市中城町の「菓子問屋 財津製菓」が30日、128年の歴史に幕を下ろす。大型スーパーなどの台頭で個人商店が少なくなり、売り上げの減少に歯止めがかからなくなった。4代目社長の財津健典さん(59)は「苦渋の決断。これまでお世話になったお客さんや従業員、地域の人に感謝したい」と話した。

 財津製菓は1891年に創業し、まんじゅうやコンペイトーなどの菓子を製造、販売。その後卸も始め、戦後間もなく菓子職人だった2代目が亡くなったのを機に卸専業となった。

 長年、日田玖珠地域を中心に、酒屋や小型スーパーといった個人商店へキャンディーやチューインガム、スナック菓子などを卸し、地元の学校や高齢者施設には希望に応じて詰め合わせも販売。「かゆいところに手が届くような商売」(財津さん)を心掛け、地域で愛されてきた。ピークの1960~70年代には、15人ほどいた従業員が夜遅くまで働き、商談の電話もひっきりなしにかかってきていたという。

 だが大型店やコンビニエンスストアの出店のあおりを受けて、個人商店は次々に廃業。地元商店街のにぎわいが消えていくに連れて業績も悪化し、従業員は4人に。受注や配送方法の効率化を図る一方で営業範囲を佐賀県鳥栖市まで広げたが、業績は回復せず閉店を決断した。

 玖珠町で個人スーパーを営む男性(63)は「数十年来の付き合い。大手は少量の卸は受け付けないし、ここが無くなると困ったね」と老舗問屋の閉店を惜しむ。

 倉庫を兼ねた社屋には今も、菓子製造当時に使われた木の型や古いお菓子の看板、幕、ネオンサインなど往時の面影が残る。財津さんは「家業を継げて良かったけれど自分の代で店を閉じる寂しさは大きい。ただこれまでやってこられたのは周囲の支えのおかげ。本当にありがたいことです」としみじみと語った。 (笠原和香子)

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