「時を超える金属」で令和の記念碑 “金属化粧師”門谷豊さん制作

西日本新聞 総合面 南里 義則

 国特別史跡の大宰府政庁跡(福岡県太宰府市)。新元号「令和」由縁の地であることを記念し、11月初旬に除幕式があったモニュメントの制作を手掛けた。

 使った素材は「時を超える金属」。日本製鉄が開発した、1万年近い耐久性があるという最先端チタン製品「トランティクシー」に独自の研磨加工でデザイン性を加えた。長い年月を経ても外観の美しさが変わらないのが特徴だ。

 モニュメントの表には令和の典拠である大伴旅人邸で詠まれた「梅花の歌」序文を、裏は趣旨に賛同したふるさと納税者名を刻む。楠田大蔵市長から令和にちなんだ作品の制作を依頼され、頭に浮かんだのがこの素材。梅花の宴から1300年。「今を生きる者として、次の1300年先まで太宰府に残せる物を作ろう」との思いで仕上げた。

 祖父が起こした東洋ステンレス研磨工業(同市)の3代目。幼い頃、一緒に風呂に入った祖父の鼻の穴は研磨くずで真っ黒だった。出荷直前でも気になる箇所があれば全体を磨き直す「根っからの職人」が手掛けた金属は、子どもの目にも「美しかった」。

 その祖父や地域貢献にも熱心だった父の背を追い、大学を出て大阪のメーカーで営業を経験後、家業に。6年前には、日本製鉄と共同開発した黄金の質感に迫る「IPゴールドチタン」が「ものづくり日本大賞優秀賞」を受賞した。

 「削る、たたく、磨く。美しさを放つ金属板に仕上げる私らはいわば“金属化粧師”。いつかうちの工場が太宰府の観光スポットになれば」。妻と娘2人との4人暮らし。49歳。(南里義則)

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