糸島で原発事故訓練 観光客の避難手順確認

西日本新聞 ふくおか都市圏版 竹森 太一

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の重大事故を想定した福岡、佐賀、長崎3県合同の原子力防災訓練で、原発から30キロ圏に市域の一部が入る糸島市では、住民や要介護者の避難・誘導などに加え、初めて一時滞在の観光客を早期に避難させる手順を確認し、有事に備えた。

 佐賀県境に近い西日本短大二丈キャンパス(同市二丈深江)では、原発で異常事象の発生、またはその恐れがある「警戒事態」の段階で、イベント来場者に避難してもらう訓練を実施。

 市役所からのファクスで警戒事態を確認後、事務職員が滞在者に状況を説明し、帰宅困難なエキストラとして参加した10人について、短大のマイクロバスで近くのJR筑前深江駅まで移送する流れを確かめた。同短大関係者は「これまで原発事故を想定した対応は考えていなかった。今後に役立てたい」。同市内のキャンプ場やゴルフ場でも、市との情報伝達などの訓練を初めて行った。

 放射線による影響が生じる可能性が高い「全面緊急事態」を想定した訓練もあり、30キロ圏の外側の糸島リサーチパークでは、バスで市外へ避難中の住民が放射性物質の付着の有無を確認する検査を受けた。参加した男性(75)は「原発事故があった場合、バスが確保できるかどうか疑問。地域には高齢者も多く、組織的な避難は難しいと感じた」と語った。

 30キロ圏に位置する離島・姫島では、放射性物質除去フィルターなどを備える放射線防護施設に住民26人が屋内退避。視察した小川洋知事は「訓練の結果を検証し、実効性を高めていきたい」と話した。 (竹森太一)

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