転機のコンビニ 加盟店と共存共栄の道を

西日本新聞 オピニオン面

 コンビニ業界が転機を迎えている。看板だった「年中無休、24時間営業」を見直す動きが広がっているのだ。

 大手チェーンは本部側の利益確保に走るだけでなく、フランチャイズ加盟店と共存共栄できる道を探るべきだ。同時に、地域社会のインフラとしての役割を引き続き果たせるよう努めてほしい。

 ファミリーマートは来年3月から、加盟店オーナーが希望すれば時短営業を認めると発表した。もともと時短営業制度があったローソンでも本部に問い合わせが殺到し、時短店が今年2月末の40店から118店に急増した。うち10店が九州にある。セブン-イレブンも時短容認に転じ、大手3社が足並みをそろえた格好だ。

 各社が「24時間営業」の大原則を転換するのは、人手不足や人件費の上昇に加え、深夜時間帯の来店客数減少などで、従来のビジネスモデルにひずみが生じているからだ。

 現在のコンビニ業界は、過剰な出店競争とそれに伴う市場の飽和で、店舗当たりの売り上げや店舗数そのものまでほぼ頭打ちの状態だ。一方、主に加盟店が負担する人件費や売れ残り商品の廃棄費用が増え、加盟店の経営を圧迫している。こうした点についても、業界として見直すべきタイミングだろう。

 今回の一連の動きは、大阪府のセブン-イレブン加盟店オーナーが本部の意向に反し、2月に時短営業に踏み切ったことが発端だ。「妻が亡くなってから8カ月間に3日しか休めていない」と訴えたオーナーは、契約違反として本部から高額な違約金と契約解除を求められたという。これに反発が広がり、全国各地でコンビニの過酷な労働実態を訴える声が上がった。

 経済産業省は業界各社に是正のための行動計画策定を求め、公正取引委員会も独禁法上の問題がないか調査に乗り出した。

 経産省の加盟店オーナーへのアンケートでは、24時間営業を維持するために長時間労働を強いられている姿が浮き彫りになった。求人難や経営上の問題から、週1日以下しか休めないと答えた割合が85%に達した。

 全国に5万6千店(九州は5600店)あるコンビニは今や都市部か地方かにかかわらず、社会のインフラとして欠かせない。買い物に加え、現金の引き出しや税金・公共料金の払い込み、宅配便など幅広いサービスを提供し、防犯や災害対応でも大きな力を発揮する。

 その営業時間は社会の関心も高いが、働く側の事情を尊重するのは時代の流れである。多少不便になったとしても、私たち利用者も受け入れたい。

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