最下位から頂点、サポーター歓喜 ギラヴァンツJ3初V 

西日本新聞 北九州版 岩佐 遼介 浜口 妙華

 サッカーJ3首位のギラヴァンツ北九州は1日、北九州市小倉北区のミクニワールドスタジアム北九州で7位のガイナーレ鳥取と引き分けた。2位の藤枝MYFCが同日のYSCC横浜戦で敗れ、クラブ初タイトルとなるリーグ優勝が決まった。スタンドに詰め掛けた8320人のサポーターと選手は歓喜に沸いた。

 前半は相手の早いプレスに苦戦した。前半18分には抜け出した相手選手に先制を許す。DF新井博人選手(23)のゴール前へのクロスに、FW町野修斗選手(20)が合わせる惜しいシーンもあったが、得点には至らなかった。

 後半は早々から猛攻。4分にはMF高橋大悟選手(20)のパスを町野選手がゴール右隅に流し込んで同点に。その後は一進一退で、後半だけで両チームが計14本のシュートを放ったが勝ち越し点は生まれなかった。

 今季の成績は19勝9分け5敗。8日の次節はアウェーで藤枝とリーグ最終戦を戦う。小林伸二監督(59)は「優勝に浮かれることなく、次のステージで頑張りたい」。MF国分伸太郎選手(25)は「J2は個人の力が強い。次節、来季のためにもしっかりと勝ってシーズンを締めくくりたい」と話した。

 サポーターも最後まで声をからした。八幡西区のパート江頭布美さん(48)は「2016年にJ3に降格し、昨季は最下位に沈んだ。苦しい期間だっただけに優勝は本当にうれしい」と涙ながらに語った。

 試合後のセレモニーで、Jリーグの村井満チェアマンが優勝杯のシャーレ(銀皿)をFW池元友樹選手(34)に手渡し、明治安田生命保険の車谷秀明執行役員福岡本部長はトロフィーを贈った。あいさつに立った玉井行人社長は「昨年暮れに大なたを振るった時の痛みが結実した結果だ。今後も死力を尽くして戦っていく」と強調。MF内藤洋平主将(31)は「今季、日に日に増していく声援が力になった。さらなる高い場所まで、共に戦い続けてほしい」と述べた。 (岩佐遼介、浜口妙華)

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若いチーム、ベテラン支え

 昨季リーグ最下位に沈んだJ3ギラヴァンツ北九州は大学を出たばかりの選手ら若手を中心にチームを編成した。シーズンを通じて若手の活躍は注目を集めたが、ピッチの内外で存在感を示し、優勝の原動力となったのはベテランだった。

 「昇格請負人」とも呼ばれる小林伸二監督を迎えたクラブは、厳しい練習で走り負けないスタイルを確立。開幕からクラブ記録に並ぶ4連勝を果たして勢いづき、連敗することなくシーズンを駆け抜けた。

 1日の鳥取戦でも、ともに20歳のMF高橋大悟選手、FW町野修斗選手のコンビが同点ゴールを決めた。若さも躍進の要因だが、小林監督は「ベテラン選手が本当によくチームを支えてくれた」と繰り返す。

 「スタメン争いが激しい中、ベテランの選手がぶれずに練習に取り組む姿は、若くない自分の励みになった」。MF加藤弘堅選手(30)の言葉だ。ベテランは体力の回復に一段と時間がかかる。今季は若手が「きつい」とこぼす練習が連日続いたが、「ベテランは手を抜くどころか、率先して練習に取り組んだ」と選手は口をそろえた。

 試合中もハードワークを徹底したFW池元友樹選手(34)は7得点をマーク。MF本山雅志選手(40)ら出場機会に恵まれないベテランも、練習では一切妥協しなかったのだという。その結果、リーグ3位の50得点、リーグ最少の25失点(11月24日時点)をマークし、完成度の高いチームを作り上げた。

 「J2は総合的にレベルが高い。もっと厳しく準備をしないと」と、J2でのプレー経験がある池元選手。J2の舞台を初めて踏む選手も少なくない。来季もベテラン選手の奮闘に期待したい。 (岩佐遼介)

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