返礼品に「笑い」太宰府の挑戦 ふるさと納税で新機軸

西日本新聞 ふくおか都市圏版 南里 義則

 豪華な返礼品で年間数百億円に達した納税額が「趣旨と違う」として制度対象から除外された自治体が国を提訴するなど、返礼品のあり方が話題となっている「ふるさと納税」。6月の制度改正を機に、モノ(品物)のほかにコト(体験)の返礼サービスを提供する太宰府市の取り組みが注目を集めている。

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 同市が「全国初」の触れ込みで打ち出した新機軸は「笑い」の提供だ。楠田大蔵市長は10月の定例会見で、新規返礼サービスとして「笑いを届ける」と発表。サービスを提供するNPO法人「博多笑い塾」の小ノ上マン太朗さん(61)=福岡市=を会見場に招いて、紹介した。

 「地域活性化には健康な笑いが一番」と軽妙に話す小ノ上さん。市長は「老いた両親に県外に出た子どもさんが笑いを届けるのもいいのでは」と提案した。笑いの提供は寄付額1万5千円で30分間(サービス提供は市内に限る)。先月27日から募集も始まった。税収増加を見込む一方で、体験型の「コト消費」で太宰府独特のサービスを目指す。

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 同市には、コト消費の先行事例がある。新元号「令和」ゆかりの古都太宰府を市文化財課の専門家が案内するツアーだ。納税(寄付額1人5万円)の返礼サービスとして、9月にスタートした。ツアーは(1)令和ゆかりの場所を巡る「令和コース」(2)1月のNHKテレビ「ブラタモリ×鶴瓶の家族に乾杯」で紹介されたコースを歩く「ブラタモリコース」-の二つ(各定員7人)だが、これまでの参加者は(1)がゼロ、(2)は1人と、反響はいまひとつ。

 「寄付額が高すぎ」との指摘に「柔軟に見直したい」と応じた市長だが、11月末には新たな返礼サービスを発表した。県内初の「電子感謝券」だ。寄付者に電子ポイントを付与し、市内のホテルなど利用した際に支払いに使ってもらう仕組みだ。

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 市内面積の16%が大宰府政庁跡など史跡で占められ、宗教・学校法人も多い同市は、税収が少ないのが悩みの種。地域の活性化を目指して、ふるさと納税返礼のモノやコトに知恵を絞り、アイデアを凝らすのにも、こうした背景がある。

 市は今年春と夏、甲子園野球大会に出た地元の筑陽学園高を応援しようとふるさと納税を活用したインターネットによる募金「クラウドファンディング」(返礼品なし)も提起した。

 太宰府に関心を持つ人だけでなく、郷土出身者を特に意識した数々の方策。「郷土のために」と呼び掛ける市長の声は果たして届くのか。成否の鍵は、市のアイデアに共感が広がるかどうかだ。 (南里義則)

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