暦は、はや12月…

西日本新聞 オピニオン面

 暦は、はや12月。坪内稔典さんの句に<十二月どうするどうする甘納豆>。あれやこれや片付けねばならない用向きの多い年の瀬だ。甘納豆をのんびり眺めていても、気のせくことが次々と浮かんでくる

▼12月の別称は師走。語源に諸説あり。師(僧)が仏事で忙しく走り回るさまからとも、四季が果てる月だから四極(しはつ)とも。今、必死で走り回っていようと同情したくなるのが、今年の大河ドラマが「果てる月」を迎えたNHKの関係者だろう。<十二月どうするどうするエリカさま>である

▼来年の大河「麒麟(きりん)がくる」に出演予定だった女優の沢尻エリカ容疑者が先月、麻薬取締法違反の疑いで逮捕された。主人公明智光秀の幼なじみで織田信長の妻になる帰蝶役に抜擢(ばってき)され、初回から登場するはずだった

▼急きょ代役を立てての撮り直しも、1月5日の初回放送予定には間に合わず、2週間遅れて同19日に始まるそうだ。人気の戦国ものだけにファンはがっかりしていよう。総放映回数が減るのではとの心配も

▼NHKにとっては、光秀に本能寺を奇襲された信長の気分だろうか。抜擢した家臣に裏切られた信長は、結果として相手を見る目が甘く、背信に気付けなかった

▼大河に話を戻せば、今年の「いだてん」でも出演男優が同法違反容疑で逮捕され、途中から別の俳優に交代した。痛い目に遭いながら、同じ轍(てつ)。<NHK役者見る目は甘納豆>

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