ギャンブル依存「私も経験」 支援施設長、共に克服目指す

西日本新聞

 ギャンブル依存症の克服を目指す人たちが共同生活を送る「グラフ・ながさき」を長崎市に開設して3年余り。施設長として支援にあたる菅公臣さん(47)は、依存症に苦しんだ自身の過去を語りながら、仲間の背中を押し続けている。

 菅さんは長崎市出身。高校3年の時、初めてパチンコをした。2千円が7万円になったこともあったが、まだ娯楽の一つでしかなかった。

 高校を卒業し、東京で就職。仕事のストレスがたまり、暇さえあればパチンコ店へ行くようになった。ギャンブルの借金を返すためにギャンブルを繰り返す。やがて借金は400万円に膨らんだ。

 返済のために仕事とバイトを掛け持ちする毎日。「一発当てればすぐ返せるのに」。そう思ったとき、はっとした。こんな状況になっても、ギャンブルに頼ろうとする自分はおかしいのではないか-。

 10年前に帰郷し、依存症の治療に通った病院で他の依存症者とやりとりを重ねた。自分の癖や考え方が分かるようになり、いったんはギャンブルの誘惑から脱した。

 だが2年9カ月後、パチンコで5千円を使ってしまった。依存症の仲間の顔が頭に浮かんだ。一からやり直すため、依存症者の回復支援施設「長崎ダルク」に入り、共同生活の中でギャンブル依存を振り切った。

 仲間に救われたからこそ、似た境遇の人たちを助けたい。その一心で2016年9月、長崎市魚の町に入寮施設「グラフ・ながさき」を開設した。現在は20代から60代までのギャンブル依存症者12人が暮らす。

 施設では生活全般をサポートしているが、特に重視しているのはお金の管理。1日に1500円を渡し、どうやって過ごすかを考えてもらう。毎日の小さな積み重ねが堅実な金銭感覚につながる。

 ギャンブルを断てない人もいる。ため息をつくときもあるが、難しいことはよく分かる。「一緒に日々を平穏に過ごそうぜ」。掛ける言葉はいつも前向きだ。(坪井映里香)

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