大相撲九州場所は横綱白鵬関の43回目の優勝で終えた…

西日本新聞 オピニオン面

 大相撲九州場所は横綱白鵬関の43回目の優勝で終えた。番付通りの結果と言えるが、幕内だけで7人もが休場したためか正直、物足りなさも感じた

▼関取は年に90番取る。今年の年間最多勝はわずか55勝。過去最少だった。年6場所だから1場所平均9勝ほどとは寂しい限り。かつて白鵬関は2009年と10年に86勝を挙げている。1年に4番しか負けないとは、あらためてすごい

▼そんな大横綱にも陰りが見え始め、世代交代が渇望されている。本来ならこの人も最有望と目されただろう。元大関の照ノ富士関である

▼幕内優勝1回。関脇をたった2場所で通過して大関へ昇進した時は、一気に最高位へ駆け上る勢いだった。好事魔多し。足のけがや糖尿病で今年3月には序二段にまで陥落。大関経験者がこんなに低い地位で土俵に上がるのは過去にないという

▼幕下で迎えた九州場所は7戦全勝で優勝。来場所の十両復帰を決めた。何度も引退を考えたそうだ。元大関としての誇りを問う声もあったという。「新十両が決まった時よりうれしい」の言葉に、どん底を見た苦節がにじむ

▼その実、この力士の面構えは不敵に映る。同情の声援はどうも似合わない。圧倒的強さで憎まれるほどの、負け相撲にこそ大きな拍手が湧くような関取がいてもいい。「今の感じで成長していけば、まだ上に行けると思う」。少し怖くて大いに楽しみな怪物の復活宣言である。

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