長崎「いのちの碑」移設へ 伊藤前市長銃撃で建立 来夏にも公園に

西日本新聞 長崎・佐世保版 華山 哲幸

 2007年に前長崎市長の伊藤一長氏=当時(61)=が選挙運動中に銃殺された事件をきっかけに、暴力追放のシンボルとして市民有志が建立した「いのちの碑」が、来年夏にも旧公会堂前広場から近くの魚の町公園に移設される。公会堂解体で広場はフェンスに囲われ、碑の姿は確認しづらくなっていた。碑を管理する市自治振興課は「新たな場所で、安全な街づくりを見届けてほしい」としている。

 事件翌年の08年に市民有志が集めた寄付金の約1500万円で制作、市に寄贈した。御影石の碑は台座を含めて高さ3・2メートル、重さ約15トン。「安心、安全」のアルファベット頭文字の「A」がかたどられ、台座には「いのち」の文字に加え、「あらゆる暴力のない安全で安心できるまちづくりに努力することを誓います」との市民の決意が刻まれている。

 事件を契機に公会堂では毎年春に暴力追放のための市民集会が開かれるようになり、碑は街頭パレードの出発点となった。その後、公会堂は老朽化のため解体。集会は魚の町公園そばの市民会館に変更され、パレードの起点も公園になった。

 市は碑の制作に携わった関係者と意見を交わして新たな設置場所を決定。公会堂の跡地には高さ90メートル、19階建ての新市庁舎が22年度に完成する。

 碑をデザインした谷村隆三さん(70)=長崎市=は「寄付金は全国から集まった。(碑には)いろんな人の思いが詰まっており、忘れないでほしい」と話している。 (華山哲幸)

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