瀬木監督と大牟田愛に酔う 映画「いのちスケッチ」の縁、市民が酒席

西日本新聞 九州+ 吉田 賢治

 福岡県大牟田市が舞台の映画「いのちスケッチ」(公開中)の瀬木直貴監督と市民が酒席を囲む夜の催しが、市内のカフェやお好み焼き店など場所を変えながら開かれている。その名も「Segi's Bar(セギズ バー)」。地域の魅力を引き出す映画を手掛ける瀬木監督が撮影秘話や映画業界の裏事情を交えて語り、市民とほろ酔い気分で交流する。Barをのぞくと、「大牟田愛」があふれていた。

 11月23日夜、同市昭和町の延命寺本堂で開かれたBarには約40人の老若男女が集まった。8月末の第1夜から数えて7回目で、この日は真面目なトークも多く「いのちスケッチ」への熱い思いが語られた。「会場を出たら口外しない」のが参加の条件だが、監督の許可を得て紹介すると…。

 まちづくりに向けたきっかけを生み出す映画の製作を全国で続ける瀬木監督。大牟田ではなぜ、動物園を舞台にしたのか。

 市の合計特殊出生率が全国平均より高いことに着目し、動物園は世代を超えてリピーターを生み、「人口減が進む市の将来を見据え、子育て層をつなぎとめる求心力がある場所として選んだ」という。その後、全国的に注目を浴びる「動物福祉」の取り組みを知り、動物園に通いながら構想を固めていった。

 撮影前に、大牟田のイメージ調査を首都圏で行っていたことも明かした。事件や事故が多く炭鉱町の暗いイメージが根強く残っていた。それでも「なぜ人口10万人ほどのまちに動物園があるのか。それは炭鉱で経済的に潤った歴史があったからこそ」と強調した。

 さらに大牟田を知るにつれて、積み重ねてきた文化の厚みを実感。「市民には、このプラスの部分にも目を向け、誇りを持ってほしいとの思いを映画に込めた」と吐露した。

 映画の主題である「いのち」との向き合いを大牟田で感じ、美しい情景とともに映画に織り込んだ瀬木監督。大好きになった大牟田と市民に向けて、トークの最後をこう締めくくった。「大牟田の仲間に入れていただいて、本当に感謝しています」

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 市民有志が企画する「Segi's Bar」は会員制交流サイト(SNS)や口コミで参加者の募集が呼び掛けられている。今後は今月15日の開催が決定している。 (吉田賢治)

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