「雄弁は銀、沈黙は金」…

西日本新聞 オピニオン面

 「雄弁は銀、沈黙は金」。19世紀の歴史家カーライルの著書にある言葉だ。雄弁は大切だが、沈黙すべきときを心得るのはもっと大切という戒め

▼桜の下で親交を深めた人たちにとっては「ごまかしは銀、沈黙は金、記録破棄はダイヤモンド」か。安倍晋三首相主催の「桜を見る会」に、税金を使って首相の後援者を大量に招いていたという疑いが浮上した

▼政府は、名簿がないので詳細不明-の一点張りだ。名簿は野党が資料請求した日に裁断処分。たまたまその日にシュレッダーの予約が入っていたので、と。眉に唾を付けたくなる

▼2015年の同会には、預託商法で消費者庁に処分を受けた会社の元会長が招待されていた。同社は招待状を、顧客を信用させる宣伝に使っていたという。招待状には首相枠推薦とみられる番号が。事実とすれば、誰がどんな理由で招待したのか。首相は「個人に関する情報なので回答は控える」と逃げの一手だ

▼もり・かけ問題、自衛隊の日報隠しなど、政権に都合の悪い問題が露見するたび、ごまかし、口を閉ざし、証拠の記録は残ってないと言い張って追及を逃れてきた安倍流「危機回避の方程式」が、今回も。過去の成功体験から、うやむやにしているうちに世間は忘れると高をくくっているのなら、国民も甘く見られたものだ

▼今日が誕生日のカーライルのこんな箴言(しんげん)も耳が痛い。「この国民にして、この政府あり」

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