国スポ アリーナ整備費増額 県議会で疑問の声噴出

西日本新聞 佐賀版 金子 晋輔

 2023年秋に県内で開催される国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会のメイン施設として県が新設するアリーナの整備費を巡り、県議会で疑問の声が上がっている。施工業者を決める入札は予定価格を上回る不落で、60億円の増額方針を示した県。4日の県議会一般質問では積算根拠を大枠で説明したが、再入札を理由に詳細は伏せた。県議側からは「県民に説明できない増額は認められない」との意見もくすぶる。

 アリーナは県が佐賀市日の出に整備を進める「SAGAサンライズパーク」(旧県総合運動場一帯)の中核施設で、「県の久しぶりの大事業」(山口祥義知事)。スポーツにとどまらず、大規模なコンサートや展示会も開催できる多目的施設と位置付けている。

 県はアリーナ全体の整備に197億円を見込んでいた。機械設備などを除く本体建設の業者を決める10月の入札は不落に。そこで県はアリーナを60億円増額し、関連の工事費に5億円を充てる補正予算案を今議会に提出した。陸上競技場の改修などを含めたパーク全体の事業費は540億円に膨らんでいる。

 山口知事は一般質問で不落の要因を問われ、「(鉄骨など)建設資材が高騰し、予定価格と応札価格との間に乖離(かいり)が生じた」と説明。増額の内訳は「今後の入札に関わるため答えられない」としつつも、鉄骨高騰への対策費が約7割を占めるなど概数を示した。

 ある県議は「加工工場は全国的に少なく、九州にはわずかしかない。鉄骨費の高騰はやむを得ない」と言う。

 ただ、予定価格の基となるアリーナの実施設計が固まったのは今年6月。入札まで4カ月しかなく、別の県議は「県や設計業者の見通しが甘い」と批判した。予想外の増額に「アリーナ不要論」も聞こえる。

 一般質問では知事の受け止めをただす場面があった。当初は「私自身も大変憂慮しており、議員の皆様にも大変心配をかけた」との答弁にとどまった知事。業を煮やした自民のベテラン県議が「巨額の血税を使うことを真摯(しんし)に受け止めないと。補正予算は通ると思っているのか」とたたみかけると、知事はこう陳謝した。「65億円は大変重い血税だ。不落を深刻に受け止め、県議会、県民におわびを申し上げる」 (金子晋輔)

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