誰も行かないところにこそ/とにかく生きてくれ 中村さん語録

西日本新聞 総合面

 誰もが行くところには誰かが行く、誰も行かないところにこそわれわれに対するニーズがある(辺境山岳部で医療活動や井戸堀り活動を続けることについて)

 援助する側から現地を見るのではなく、現地から本当のニーズを提言してゆくという視点である。彼らはわれわれの情熱のはけ口でもなければ、慈善の対象なのでもない。日本人と同様、独自の文化と生活意識をもった生身の人間たちなのである(活動の基本姿勢について)

 日本で身につけた技術は、現地では何の役にも立ちません。むしろ初めは邪魔になります。半年か1年は寝て暮らすつもりで来てください。そのうち現地の様子もおいおい見えてきて、何が必要かも分かってきます(現地でボランティアを希望する看護師の問いに答えて)

 ペシャワールについて語ることは、人間と世界について総(すべ)てを語ることであると言っても誇張ではない。貧困、富の格差、政治の不安定、宗教対立、麻薬、戦争、難民、近代化による伝統社会の破壊、およそあらゆる発展途上国の抱える悩みが集中しているからである。悩みばかりではない。我々(われわれ)が忘れ去った人情と、むきだしの人間と神に触れることができる。我々日本人が当然と考えやすい国家や民族の殻を突き破る、露骨な人間の生き様(ざま)にも直面する(著書『ペシャワールにて』から)

 とにかく生きていてくれ、病気は後で治す(アフガニスタンを襲った大干ばつによって飲料水が不足し、下痢や簡単な病気で多くの子どもたちが亡くなっていくことについて)

 よく「日本だけが何もしないでいいのか」と耳にするが、今考えるべきは「まず、何をしたらいけないか」だ。民衆の半分が餓死しそうな状況を置き去りのままで国際協力を論じても、うつろに響く(アフガン情勢を巡り、日本の国際治安支援部隊ISAFへの参加問題に触れて)

 治安の悪化に対する認識が甘かった。対日感情の悪化もあった。ただ日本人にもいろんな人がいるように、アフガンにもごく一部に心ない人がいる。私たちを守ってくれる人もいる。事件によってアフガン全体を断罪しないでほしい(ペシャワール会スタッフ、伊藤和也さんの殺害事件について)

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