水を見詰める表情胸に残る 元現地スタッフ 中村哲さん死亡

西日本新聞 社会面

 中村哲さんと一緒に用水路の建設現場で働いた元ペシャワール会の杉山大二朗さん(44)=福岡県福津市=は「アフガニスタンのために命をささげた人」と振り返り、死を惜しんだ。

 杉山さんは2005年から約6年、同会スタッフとして働いた。10年ごろ、アフガン東部穀倉地帯の用水路が壊れたことがある。修復を試みた他国の団体もさじを投げる“難攻不落”の場所だったが、「何とかしてほしい」と直訴された中村さんは「やりましょう」と二つ返事で引き受けた。

 通水式の日。流れる水をいとおしそうに見詰める中村さんの表情が胸に残る。声を掛けることもできなかった。後日、中村さんから「大勢の人が飢えに苦しむ。失敗したら片腕を切り落とす覚悟でやっていた」と打ち明けられたという。

 杉山さんは「到底、死を受け入れることができません」と悔しそうに語った。

 昨年末まで3年間、スタッフを務めた東達也さん(35)=埼玉県上尾市=も中村さんと働いた。仕事には厳しかったが、食事時は穏やかな口調で「長く生活すればするほど、ここに来てよかったと思う」と語っていたという。東さんは「先生の事業が、現地の人々のために継続していくことを願うばかりです」と話した。

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